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2014.03.05 | |
決める・ぶれない・梯子を外さない 清村千鶴(ファイザー営業統括部本部長) ――これまでの仕事人生で逆境はありましたか。 40代の時、「リピトール」という高脂血症の薬を マーケティングで率いるチームリーダーになりました。 もともとはワーナー・ランバードという会社の製品で、 ファイザーが同社を合併した後、 初めてファイザーの製品として 日本で発売を開始する時のリーダーになったんです。 世界で1兆円売れていた製品で、 市場も大きく会社の期待も物凄く高い。 一方でそのマーケティングチームというのが、 もともとワーナー・ランバードでやっていたメンバーの中に、 私がぽこっとリーダーで入る形になりました。 上司にあたる部長もワーナー・ランバードから来た外国人で、 世界でリピトールを上市(新製品の発売に際し、市場の反応をみること) させてきた実績がある。 彼はこれまでの手法を 日本のファイザーの中でも通そうとするから、 いろいろと軋轢が生まれるわけです。 なので、仕事は多い、チームは慣れていない、 上司が外国人で孤立しているという中で、 様々な調整が全部私に降ってきたんですね。 ――想像しただけでも大変です。 土日なく働きましたが、 そうなると精神的に余裕がなくなって、 家に帰っても主人を気遣うことができなくなりました。 よく巷で奥さんたちが 「うちの主人、何を言っても “ふーん”しか言わないのよ」 とか言うじゃないですか(笑)。 その反対のパターンで、 本当に夫婦仲が悪くなったんですよ。 そうなると今度は 仕事にも思いっきり没頭できないという 負のスパイラルになって、 あの時が一番大変だったと思いますね。 ――どう乗り越えられましたか。 ある方が当時の副社長に 「あのまま清村を放っておいたら 死んじゃいますよ」 と言ってくださって、 「誰でもリクルートしていいぞ」と。 それでファイザーのマーケティングを 知っている人間を入れてもらって、 だいぶ仕事の負担が減りました。 そうして余裕ができたこともありますし、 上司ともぶつかり合いながら 関係を築いていったこともあって、 次第に好循環に入っていきました。 リピトールも競合他社から 羨ましがられるような成果を出すことができました。 ――ご主人とも関係を修復されて。 これで学んだのはやはり 夫のことは大切にしようと(笑)。 忙しい時に帰りが遅くなるとか 出張が多いというのは仕方がないので、 メール1本でも入れておこうかな という気遣いは続けています。 ――ご自身のモットーを教えてください。 以前新聞を読んでいた時、 身体的なハンディを背負いながら 教師をされている方の記事が載っていて、 その方が 「成功の反対は失敗ではない。 何もしないことだ」 とおっしゃっているのを見て、 本当にそのとおりだなと。 あと、やはり新聞を見ていた時、 本の広告に、 「向き、不向きより前向き」 とあって、この言葉も心に響きました。 私もMR(医薬情報担当者)ならMR、 マーケティングならマーケティング、 いま与えられている仕事を一所懸命やってきたと思います。 ――上に立つ人間として心掛けていることはありますか。 プライマリー・ケア事業部門も、 新しく就任したエスタブリッシュ医薬品事業部門も 約1500人の部下がいます。 その中で気をつけていることは、 まず耳を傾けること、 また正直なフィードバックをしてもらえるよう、 自分で環境をつくっておくことが大事だなと感じます。 マーケティング部門は割とフラットな感じで、 みんな言いたいことを言ってくれていたと思いますが、 営業は縦のラインが強いので、 「こうじゃないかな?」 「はい、分かりました!」 で動いてしまうところがあるんですね。 だから、 「違う時は違うって言ってくださいね」 と言ってあります。 また、以前行ったリーダー研修で 講師の方が「リーダーの心構え」として 3つ挙げていました。 「決める」 「ぶれない」 「梯子を外さない」。 確かにそうだなと思って、 営業本部長になった時、 この3つを大切にしようと思い、 今日までやってきました。 |
2014.02.25 |
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