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苦労と思った瞬間に苦労になる 山本征治(日本料理・龍吟代表) 日本料理の道を追求し続け、 3年連続世界の料理人トップ50入りを 果たしている日本人がいます。 ミシュラン三つ星に輝く 龍吟代表の山本征治氏です。 僕は子供の頃、ふとしたことから 母親の料理の手伝いをするようになったんですね。 学校から帰ってその日の出来事を話す時、 いつも母親が台所にいて、 手伝いをしないと 機嫌よく聞いてくれない。 そうやって料理の手伝いをするのが 日課になって段々と手順を覚えていったんです。 小学5年生になると、 家庭科の授業で調理実習がありますね。 僕はその実習の数日後、 貯めていたお小遣いで 近所のスーパーで同じ食材を買って、 1人で家族のお昼を準備したんです。 パートから帰った母親が 「えっどうしたの」と驚いて、 「おいしい、おいしい」と喜んで食べてくれました。 これを見ながら僕は 「料理がおいしいと言ってもらえるのは、 こんなに嬉しいことなんだ」 と子供心に感動したんです。 「自分の将来の仕事はこれがいいかな」と。 それ以来、僕は自分の夢について 料理人以外のことを作文に書いたことも 言ったこともありません。 調理師学校を出た後、 3年くらい地元・香川県のホテルで働いたんだけど、 僕はやるなら日本料理と決めていました。 フランス料理に対する華やかなイメージも もちろんありました。 だけど、フランス料理や中国料理は 向こうに本物があって、 それを日本に吸収するだけ。 じゃあ日本が負けないものは何か と考えた時に、 日本料理しかないと思ったんです。 それから僕は自分なりに 日本料理を研究する中で やがて門を叩く有名な四国の料亭を 知ることになるんです。 修業期間中の嫌なこと、辛いことを 数え上げたら切りがないけど、 僕には必ず成功して店を持って 自分の料理を世の中に認めていただく、 という夢があったから、 これも訓練だと思って乗り越えてきました。 どちらかというと 要領がよくない人間だし、 生意気に思われて先輩から 殴られたり蹴られたりすることも たびたびありました。 しかし、上手く振る舞っているうちに 自分の大切な人生の時間が 奪われていくことを思ったら 耐えられなかったですね。 僕は誰よりも料理に対する思いが強い人、 誰よりも料理が好きな人になりたかった。 唯一、大将だけには勝てないと思っていたから、 大将だけを見て必死についていったんです。 僕は苦労したと自分では認めない主義なんです。 苦労を苦労と思った瞬間に、 本当に苦労になる。 だからいまも社員たちに 「風邪をひいたと認めた瞬間に 風邪をひくんだぞ」 と言っています。 その後、33歳で独立し、 龍吟を開店した山本氏。 経営に関して全くの素人だった氏は 死を覚悟するほどの苦しみを経て、 ミシュラン三つ星を獲得しました。 |
2014.01.23 |
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