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      次代に輝く住まいを創る

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苦しみに感謝
    栗城史多(登山家)


8000メートル峰。 そこは酸素が平地の3分の1しかなく、
最大風速50メートル以上にもなる死の地帯。
そんな極限の世界に、酸素ボンベを持たず、
一人挑み続けているのが 栗城史多氏、31歳です。

2012年秋、 4度目の挑戦となったエベレスト登山で
指9本に重度の凍傷を負ったものの、「チャレンジはやめない」という。
命の危険を冒してなお、挑戦し続ける姿勢は
多くの人々に勇気と感動を与えています。

不撓不屈のクライマーが語った 「苦しみの乗り越え方」

栗城 僕にとって一番忘れられないのは、
   2007年に登った標高8201メートルの
   チョ・オユーという山でした。

塩沼 それはどこの山ですか?

栗城 ヒマラヤ山脈の一つなんですけど、
   これが生まれて初めての8000メートル級の山でした。
   この時にテレビ番組の企画で
   登山の様子を動画配信することになったんです。

約1か月半かけて登っていったんですけど、
頂上付近でガスがかかってしまいました。
方向を見失って遭難してしまう危険があるので、
仕方なくベースキャンプまで下りていったんです。

当初はそこで終わる予定だったんですけど、
パソコンを開いてみると、
「やっぱり栗城は登れなかった」とか、
中には「死んじゃえ」といったコメントが
たくさん書かれていたんです。

それを見た時に、やっぱり悔しいなと。
それでもう1回アタックしようと決めました。

塩沼 そうは言っても、いったん8000メートルまで
   アタックして帰ってくると相当疲弊しますでしょう?

栗城 はい。だいたい5キロくらい痩せて帰ってきます。
   ベースキャンプにいるプロの方からも、
   数日の休養だけではほとんど難しいだろうと
   言われていたのですが、
   3日間だけ休養をもらって、
   そこからまた1週間立て続けに登って、
   最後に登頂できたんですね。

そうしたらさっきまで
悪口を言っていた人たちが
「ありがとう」とコメントしてくれて、
それは凄く嬉しかったですね。

塩沼 しかし、もう最後の極限になると
   馬力なんかないですよね。

栗城 そうですね。最後のアタックになりますと、
   ご飯もほとんど食べられないですし、
   カロリー的に計算すると全然足りませんので、
   どうしてこれが最後登れるのかなって
   不思議に感じることはよくあります。

やはり最後は登らせていただくのかなと思います。

塩沼 これはもう危ないといわれるような
   プレッシャーが掛かれば掛かるほど、
   逆に集中力って増してきませんか。

栗城 これは山の不思議なところなんですよね。
   比較的簡単なルートで
   「ああ、これは登れるな」と思っていると、
   100%の集中力は出てこないんですね。

やっぱり壁みたいな難しいルートだったり
今回のような厳しい時期に行くと、
普通では登れないと分かっていますので、
そうすると五感が冴えてきて、
100%を超えた110%、120%の
未知なる領域に辿り着けるのだと思います。
 
塩沼 私たちはまさに極限の世界を
   体験させていただく機会に恵まれたわけですが、
   その中で何を得られたかというと、
   まず感謝ですね。
   感謝の気持ちが降りてきます。

皆さんから見ればこんなに辛くて苦しいことを
しているのになぜ感謝の気持ちが湧いてくるのかと
思われるかもしれませんが、
そこにやらされているとか、
やらなければならないというような
考え方は一切ないんです。

誰に頼まれているわけでもない。
行をさせてくださいと自分がお願いをして
行をさせていただいている。

このこと自体が感謝。
自分が行じるなんてとんでもない
という心境になってきます。

栗城 僕も登山で凄く大切にしているのは
   「苦しみに感謝」ということなんです。

塩沼 苦しみに感謝、いい言葉ですね。

栗城 苦しみが来た時に、
   どうやったら苦しみから逃れることができるのかなと、
   山の中でいろいろ試したことがありました。

でも、苦しみから逃れることはできないですし、
かと言って、戦いを挑めば挑むほど、
どんどん苦しくなっていきます。

最後は、この苦しみはもう自分のお友達なんだと
思い始めてから、スーッと行けるようになりました。

だから、本当に苦しい時は
「ありがとう」
「なんて素敵な経験をさせてもらっているんだろう」
と言って登っていくことが大切だと思います。
 
2014.01.06

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