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点から面の観光へ 樺澤豊(わたらせ渓谷鐵道社長) 100年の歴史を持つ 群馬県のわたらせ渓谷鐵道。 一時廃線の危機に瀕していたものの、 2009年、社長に就任した 樺澤豊氏の手腕により、 見事に復活を遂げました。 テレビや新聞、雑誌などで年間600回以上取り上げられるなど、 いま、脚光を浴びています。 ――わたらせ渓谷鐵道(以後、わ鐵)の経営には どのような方針で取り組まれたのでしょうか。 まず考えたのは、 何がこの鉄道の役割なのか、 ということでした。 第三セクターとして再出発した当時は 地元と一緒に「乗って残そうわたらせ渓谷鐵道」を キャッチフレーズにやっていたわけですが、 肝心の沿線住民が減少の一途を辿っていき、 地元の熱意もだんだん薄れていく状況では、 そうも言っていられなくなりました。 では交通弱者のために 何によって鉄道を残せばいいかと考えて、 沿線の観光にもっと力を入れよう ということになりました。 これはわ鐵に限らず、 赤字を抱えた鉄道の多くが取り組んでいます。 わ鐵は1998年から トロッコ列車を走らせています。 連休や行楽シーズンになると 駅前は観光客でごった返すほどの盛況ぶりでした。 私はわ鐵に来て初めてトロッコ列車の発車駅で その光景を目の当たりにしたのですが、 「これはおかしいぞ」と思ったんです。 ――観光客が多く集まっているのに、ですか。 人だかりができているのは駅前だけで、 そこから街を見渡したら人が全然いません。 駅周辺には、古い芝居小屋とか、 200年以上続く醤油屋や 歴史のある日本酒の醸造蔵があるのに人影がない。 なぜ狭いホームで列をなしているのかといえば、 皆さん少しでもいい席を取りたいからなんですよ。 指定席化すればいいだけの話なのに、 社員に聞いたらそれはできないと言う。 確かに第三セクターゆえの障害もありましたけど、 一番の原因は目の前の現象に対して、 「いままでもそうだから、 これはこういうものだ」 と思うだけでなんの疑問も 持たない社員の意識ですね。 ――現状に対してなんの疑問も持っていなかったと。 こうした現状を目の当たりにする中で、 だんだんとこの鉄道はなんのためにあるか ということが明確になってきました。 それは 「地域の活性化に 寄与するような鉄道にする」 ということです。 ですから観光バスみたいに お客さんを点から点へと運ぶような 観光ではダメなんですね。 いかに地域に長く滞在してもらうかを 考えなければいけないのに、 ホームにお客さんを並ばせるというのは とんでもない話ですよ。 指定席化を実現すると、 出発までの時間を使って 乗客が街を歩くようになりました。 線路の幅は1067ミリあるんですけど、 それを何十倍、何百倍にも広げていくことで 一つの街ができていくという 視点を持つことが大切なんですね。 その他、 ・広告宣伝費がなくてもできる 大胆メディア戦略とは? ・地産地消のグッズ製作 ・社員や地域の人たちが発案してできた 人気の「企画列車」 ・リーダーの極意 など |
2014.02.15 |
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