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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.088

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落語の道に 089a人生の大原則 089b83歳の女子高生 089c人生の根本は...
一語履歴 vol.088
幸せは... 088a腕を 088b西郷南洲の 088c決める... 088d坂村真民と...
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点から... 087aなまえ... 087b誰よりも... 087c体温だけで...
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一語履歴 vol.081
私たちは... 081a種をまく... 081b偉人を... 081c売ろうとしたら...
幸せは自分自身の心の中にある         
   龍村仁(映画監督)

映画『地球交響曲』――。
平成4年の初公開以来、 延べ240万人に鑑賞されてきた
龍村仁監督のロングランヒット作として 世に広く知られています。
とりわけ3・11の大震災以降、「生命の大切さ」について考える機運が
高まったからでしょうか。

現在、若い有志による自主上映会が増え、 これまでに5600回以上も上映され、
全国各地に感動と覚醒をもたらし続けています。
すでに七作が製作され、目下、八作目に取り組んでいるといいます。

村上 撮影中に意図せずしていい場面に
   遭遇することもあるわけですか。

龍村 あり得ないような偶然によって
   凄くいいシーンが撮れたことは、
   これまで何度もあります。

例えば『地球交響曲』第一番に
ご登場いただいた野澤重雄さんは、
1万3千個も実のなるトマトの巨木を作った方なんですが、
最後のシーンに実が満開になっているところを
絶対に撮りたかったんです。

ところがちょうど同じ時期に、
同じ作品に登場してもらった
登山家のラインホルト・メスナーさんの撮影で
どうしてもイタリアに行かなければならなくなった。

野澤さんからは、「そろそろ実が落ちますよ」と
言われていましたから、
そこのところは一つの賭けだったんですね。

野澤さんは「トマトは心を持っている」とおっしゃる方で、
撮影当初から「トマトと話をしながら撮ってくださいよ」と
言われていましてね。

みんなで「おまえ凄いな」みたいに
語りかけながら撮っていたんですが、
イタリア行きに際して
トマトから「どうするの?」って問いかけを受けるわけです。

村上 それでどうされたんですか。

龍村 僕は、帰ってきた時にすでに
   トマトが命を終えていたとしても、
   それはそれでよいことだと受け止めることにしました。

ただし待っていてほしいとは思う。
それで毎朝心の中で「ちょっと待っていてくれな」と祈ったんです。

そうしてイタリアの撮影が終わり、
成田から駆けつけてみたら、
なんと真っ赤なトマトが5千個くらい、
ダーッとなっていたんです。

奇跡的にあの感動的なラストシーンが撮れたんですよ。

村上 きっとトマトに思いが通じたんでしょうね。

龍村 野澤さんは、

「トマトは心を持っている。
 私は、そのトマトの心に尋ね、
 トマトに教わりながら、
 成長の手助けをしただけなんです」

とおっしゃっています。

人間がコントロールしようとしてはダメで、
トマトは本来、地球の条件を自分で感知して
成長していくもので、条件が変われば
そういう巨大な木になる可能性もあるというんです。

残念ながらつくば科学万博で
そのトマトが紹介された時には、
特別な成長ホルモンで大きくしているような誤解を受けて、
野澤さんの言いたかったことが伝わりませんでした。

だから僕は、映画を通じて彼のメッセージを
ちゃんと伝えたかったんです。

村上 僕もつくば博であのトマトを見ましたが
   とても感動しました。

あれは水と空気と日光を
十分に受けられるような環境を
整えることによって、
トマトの潜在能力をスイッチ・オンしたものだと
僕にはすぐ分かりました。

龍村 野澤さんの言葉で言えば、
   欲しいものはいくらでもあるから
   我慢せずにどんどん吸収していいんだよと、
   トマトに情報を与えているようなものだということでした。

トマトが周りの環境を判断して
あれだけの実をならせたことを心というなら、
まさにトマトには心があるということになります。

村上 脳はないけど細胞があるわけですからね。
   細胞の膜で情報の判断をするというのは、
   心の働きとも通じるものがあるわけですよ。

龍村 僕は『地球交響曲』のコンセプトとして
  「共に感ずるシンフォニーから共に奏でるシンフォニー」と
   謳っています。

映像に登場するのは一見特別な人のように
見えるかもしれませんが、
彼らが話したり行ったりしていることは、
実は皆さんも知っているはずだというのが僕の思いなんです。

それはつまり、自分の命は自分の私有物ではなく、
大いなる繋がりの中で生かされているということです。

そのことを自覚すれば、
もう感謝と祈りの心にならざるを得なくなるし、
幸せに生きられると思うんです。

幸せは結局、自分自身の心の中にあるわけで、
すべての命の営みは、人間同士であれ、人間と他の生命体であれ、
過去や未来の人との繋がりであれ空気や日光であれ、
あらゆるものとの双方向の創造行為なんですね。

そのことを本当に自覚した人が、
それを分かち合うことで幸せが広がっていく。

そういう願いを込めて
共に感ずる、共に奏でると謳っているわけです。

我われは、実はそのことをすべて知っている。
それを思い出せばいいのだと僕は思います。
 
2014.02.21

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