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仁を発揮して生きる 安岡定子(こども論語塾講師) 昭和の歴代首相や財界リーダーの指南役として知られる 碩学・安岡正篤師。 その令孫、安岡定子さんは 現在「こども論語塾」の講師として 全国各地で子供たちに分かり易く論語を教え、 人気を博しています。 私が教室でお子さんに接する時、 繰り返しお話ししているのが 仁の大切さです。 小さいお子さんには一言で 「思いやり」と説明していますが、 この仁を孔子はとても重視していて、 仁について語った章句は100を超えます。 お子さんに 「仁と聞いてまず思い出すのは、 どの章句ですか」 と質問すると、最も多いのが 「巧言令色、鮮なし仁」 (上手に飾りすぎた言葉の人や、 上辺ばかり格好をつけた表情の人には仁が欠けている) 次に挙がるのは 「剛毅木訥、仁に近し」 (心がしっかりしていて、 口べたで飾り気がない人は 仁者に近いということができる) です。 そして、もう少し年齢が上がると、 今回ご紹介する 「仁に里(お)るを美と為す。 擇(えら)びて仁に處(お)らずんば、 焉(いずく)んぞ知なるを得ん」 の章句を挙げる子が何人も出てきます。 これは私の好きな章句の一つで、 「仁の心を大切にする態度が美しいのだ。 自分で選んで仁から離れてしまっては、 どうして知恵のある立派な人と言えようか」 という意味です。 私が好きな理由の一つは 表現の美しさです。 里という文字を「おる」と読ませています。 この「おる」は「人物がいる」「物を置く」という意味で、 私にこの章句を教えてくださった先生は 「心の中心に仁を置き、 それを拠り所として生きるのは なんて美しいんでしょう」 と説明されていました。 孔子は人間は皆、仁の心を持って生まれてきている という性善説の持ち主でした。 仁を拠り所として生き、 どのような厳しい状況に置かれたとしても 仁を発揮していく、という 理想の生き方を貫いたのです。 ですから私もお子さんに この章句を紹介する時、 「みんな仁を持って生まれてきているのに、 それを形にできないのはもったいないでしょう。 どのような時も思いやりに溢れた人になりましょうね」 という言い方をします。 そしてこう続けます。 「誰でも優しい気持ちは持っています。 人に優しくされたら嬉しいし、 困っている人を見たら自然に助けたい という気持ちが湧いてくる。 その時大切なのは、 その思いを行動に移せるかどうかですね。 優しくされたら素直に感謝の気持ちを表現し、 困っている人にはさっと手を貸して あげられる人になりましょう。 ただ単に言葉を知っているというだけでは 意味がありませんよ」 思いを行動に移すのは確かに難しい部分もありますが、 それを実践することで初めて 人としての成長があること、 「知恵のある立派な人」とはそういう人であることを お子さんには伝えます。 |
2014.01.20 |
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