過去の一語履歴を見ることが出来ます。
患者の苦悩を受け入れ 心を穏やかにする 小澤竹俊(めぐみ在宅クリニック院長) 在宅で人生の最期を迎えたいと願う患者に365日寄り添い続けている医師がいます。 横浜市のめぐみ在宅クリニック院長・小澤竹俊さん。 少年期に抱いた「誰かに喜んでもらえる仕事を」との 志を貫き、一人ひとりの命と真摯に向き合い続けてきました。 村上 小澤先生は、どういう思いで 末期の患者さんと接していらっしゃるのですか。 小澤 間もなくお迎えが来るという時、 ご家族も医師も看護師も、 どう関わってよいか分からなくなるものです。 それまでやっていた採血や血圧などの検査結果も、 全く意味をなさなくなります。 そういう時、私が何をするかというと、 その患者さんがどうしたら穏やかになるか という発想でアプローチをかけるんです。 その穏やかになる状態は人によって違います。 村上 なるほど。 小澤 野球で巨人が勝つと穏やかになる人もいれば、 巨人が負けて穏やかになる人もいます。 それと同じように、ある人が間もなく お迎えが来ると分かっていながら 定期的な採血で心が穏やかになるとしたら、 私は採血をお勧めします。 ギリギリまで自分の数字を見たいという人がいれば、 その数字を示したほうが穏やかに生きられると思うからです。 徹底して病と闘いたい人はその気持ちを応援してあげますし、 市販の健康食品を使うことで穏やかになれるのであれば、 そのような配慮をします。 村上 患者さんがどうしたら穏やかでいられるかを知ることは、 医者の大切な仕事ですね。 小澤 普通の医者であれば、検査の結果だけを伝えて 「あなたには、これ以上の治療法はありません」と 告げるくらいしかできないでしょう。 実際いままではそうでした。 でも、患者さんの苦しみをともに抱きながら、 その支えとなるものをキャッチできる感性を磨き続ける。 これこそが医者の本来果たすべき役割だと私は思うんです。 村上 その秘訣のようなものがありますか。 小澤 月並みですが、やはり訓練だと思います。 人が苦しみを抱きながら穏やかだと感じる理由が どこにあるかを感じ取る訓練を常にすることです。 病の苦痛自体を取ってあげられたら、 それに越したことはないでしょう。 だけど、限界があります。 だから発想を変えます。 苦しみがありながら、なお穏やかであると 患者さんに思ってもらえる方法を医師として探っていくんです。 村上 穏やかさを取り戻せる人がいる一方で、 やはり取り戻せない人もいらっしゃるのではありませんか? 小澤 何とも言えませんが、私の目からは 最期には皆穏やかになるように見えます。 村上 それは素晴らしいな。 小澤 もちろん「悔しい」と言う人もたくさんいます。 20代、30代で死にたくないお父さん、お母さんは いくらでもいらっしゃいます。 でも「悔しい」ということを分かってくれる人が 傍にいるだけでも支えになるんですね。 ややもすると、緩和ケアでは皆にっこり笑って 死ぬと思われがちですが、そうではありません。 最期まで闘いたい人にはそれを応援することが 穏やかさに繋がりますし、 最期までジタバタしたい、誰かに当たり散らしたい、 恨みたいという人には、それをも認めて受け入れることにしています。 |
2015.02.15 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日