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勝ち続けるために必要なこと 井上康生(全日本柔道男子代表監督) 柔道男子金メダルゼロという悲劇に終わったロンドン五輪の後、 日本柔道の再建を託され、代表監督に就任した井上康生さん。 そこから僅か2年1か月の間で、 実に12個もの金メダルをもたらしました。 現役時代、柔道界を牽引した絶対的エースは いま指導者としても目覚ましい結果を残しています。 ――全日本の選手たちにどんなことを厳しく指導されていますか。 井上 技術的なこともそうですが、やはり心構えの部分ですね。 自分自身が本当に柔道に懸けているんだという姿勢。 苦しく厳しい環境のもとで練習をする中で、 時に人間ですから、弱音を吐いたりするかもしれません。 だけど、強くなるために何が必要かを考え抜いて、 そしてそれをひたむきに追い求めていく。 他の者たちから、 「ああ、さすが○○だな。 あいつの背中を見たらやっぱり勝てないよな。 もっと頑張らなきゃ」 って思われる。 それほどの練習量と質で他の選手たちを凌駕する。 リーダーとはそうでなければならないと思います。 また、人間力の部分に関しても、 例えば目上の方に対する礼儀だとか挨拶、 何かしてもらった時に感謝の気持ちを伝える。 一見当たり前のことなんですが、 意外とできていないことがあると思います。 そういうことも自然とできるリーダーを育てていきたいなと。 自分自身をしっかりとマネジメントできる人間が、 勝負の世界で勝っていける一つのポイントだと思うんです。 ――伸びていく選手と途中で止まってしまう選手の差は どこにあると感じていますか。 井上 心技体といいますが、やはり心がしっかりと備わっていなければ、 強くなれる者も強くなれないと思うんですね。 その根底にあるのは、自分自身がどう生きるべきか、 どういう選手になりたいかという夢や目標。 強くなりたい、チャンピオンになりたいという心を持っているかどうか。 ここがぶれてしまったら、どんなに努力しても最終的には崩れていってしまいます。 でも、それだけではダメだと思うんですね。 そこにはやっぱり「俺は必ず成功するんだ!」という断固たる決意が要る。 自分自身を信じる心を持って戦う選手と戦わない選手では、 大きく差が出てくると私は思います。 井上 また、出る杭は打たれるというように、 一度勝っても勝ち続けることは難しい。 やはり勝つとみんなが研究してきて抑えようとしますので、 そこをさらに上に行く努力を積み重ねていかなければ、 勝ち続けることはできないと思うんです。 ――さらに上に行く努力。 井上 人間はそんなに強い生き物じゃありません。 自分自身がこれまで築き上げた成功体験にすがりたい という気持ちはよく分かるんです。 ですけど、やっぱりスランプといいますか、 何かの壁に当たった時に必要なものは、 まずはその現実をちゃんと受け止めること。 そして、逃げないことですね。 逃げるっていうのは、他のせいにしてごまかしたり、 その道から外れて何か他のことをしようとすること。 これでは物事は解決できません。 やはり壁にぶち当たって、ぶち当たって、 ぶち当たってそれを乗り越えた時に、 初めて人間は成功できるのではないかなと。 |
2015.02.10 |
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