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真の恩返しは記録を塗り替えること 白鵬 翔(第69代横綱) 元横綱・大鵬の記録を破り、 歴代単独最多となる33度目の優勝を飾った横綱・白鵬。 昨年11月の九州場所では、 尊敬する師に並ぶ32度目の優勝を果たし、 「恩返しができた」と涙を流しました。 ところが、今回の初場所を前に、白鵬氏が語ったのは、 山下 先に現役を終えた者として 僭越ながらアドバイスをさせていただくと、 記憶も大切ですが、最後に残るのは記録です。 先ほどの双葉山関の69連勝という記録はもちろんですが、 いま歴代最多優勝回数まであと数回のところにあるんですよね? 白鵬 はい。 いま歴代最多は大鵬親方の32回で、 私は29回です(昨年5月当時)。 山下 いま横綱が白鵬関を含め3人になったり、 将来有望な力士が次々登場して、 相撲界は上り調子になっていますが、 さらに発展していくためにも、 ぜひ白鵬関に大鵬親方の記録を塗り替えてほしいところです。 白鵬 最近は大鵬親方の32回の優勝回数に 並んで超えたい、ということは、 口にしないようにしています。 相撲道の姿勢を教えていただいた方ですから、 後輩として、超えたい、勝ちたいというのは 何か違うというか……。 勝ち負けとは別な世界のような気がするんです。 山下 分かります。 白鵬 でも、人間だから記録を破りたいんですよね(笑)。 山下 白鵬関が記録を塗り替えることが、 大鵬親方への恩返しかもしれませんよ。 間違いなく大鵬親方は白鵬関が自分の記録を塗り替えたら、 よう頑張ったと心から褒めてくれるでしょうし、 天国で喜ばれると思います。 白鵬 双葉山関の69連勝に迫りつつあった時、 いろんな意見がありました。 双葉山関の頃は1年に2場所しかなく、 約3年間負けなしで69連勝した。 現在は6場所制ですから、1年足らずで その記録を超えてしまうのはどうなのか、とか。 あるいは、私が日本人でないのに 大相撲の大切な記録を破ることに批判的な意見もありました。 その時、大鵬親方にお電話してご意見を求めました。 山下 親方は何と? 白鵬 「我われもその記録に挑戦してできなかったんだから、 チャンスがあるならぜひ超えてほしい。 記録は破られるためにある」 とおっしゃってくださって、 気持ちが晴れたんですね。 まあ、その2日後に負けちゃいましたけど(笑)。 山下 大鵬親方はきっとご自分の記録に関しても、 同じ思いだと思います。 記録を破って、天から見ている大鵬親方が 喜ぶような相撲道を歩んでいっていただくことを願っています。 白鵬 ありがとうございます。 山下 きょうは「自分の花を咲かせる」というテーマで 白鵬関とお話しさせていただきましたが、 いまの白鵬関をつくってきたのは夢や志であること、 そして理想を持つことが人生にとっていかに大切であるかを実感しました。 やはり自ら欲して高い理想を求め、 そこに向かっていく姿勢が大切ですね。 また、自分の花を咲かせるには一度発心したことは、 とことん頑張ってみることが大事ですよね。 柔道にしても、相撲にしても、 もう力が出ないというくらいまでやった時、 自分の限界が伸びて、また新しい力が入ってくる。 日々失敗を恐れずに自分の全精力を傾けていけば、 必ずその人らしい花を咲かせることができると思います。 白鵬 同感です。 それに、みんながみんなチャンピオンや横綱に ならなくてもいいと思うんです。 それこそ、みんな横綱やチャンピオンに なったら大変ですよ(笑)。 私もいろんな夢があって、 これまで叶わなかった夢もたくさんあります。 でも、それでもいいと思うんです。 一所懸命夢に向かっていく過程で、 自分を磨いていく心の姿勢が大事だと思うんです。 |
2015.01.24 |
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