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勝運を引き寄せる法則 大八木弘明(駒澤大学陸上競技部監督) 第91回となる箱根駅伝が スタートしました。 優勝争いは5強が中心とみられていますが、中でも優勝候補の筆頭は 昨年11月の全日本大学駅伝で4連覇を果たした駒澤大学でしょう。 箱根駅伝の総合優勝6回を含め、21回の全国優勝を誇り、 “平成の常勝軍団”の異名を取っています。 大八木 私が念願の箱根で初めて 総合優勝したのは平成12年でした。 太田 そうでしたね。 それから4連覇したこともあったじゃない。 大八木 はい、14年から17年までの4年間ですね。 その間、私は助監督を経て、 16年に監督となり20年に再び優勝。 しかしつくづく勝負の世界は分からないと思うのは、 翌21年は出雲10位、全日本7位、箱根は13位という 惨憺たる結果で、駒澤で指導を始めて以来の低調な成績でした。 それまで小さな失敗はあっても、 ここまで大きく順位を落とすことはありませんでした。 太田 何か原因はあったのですか。 大八木 もちろん、すべて監督である自分の責任ですが、 やはり気持ちの問題だと思いますね。 選手に「自分のため」だけでなく 「他人のため」「チームのため」と思わせることが できなかったのではないかと。 他人のために走るか、自分のために走るか。 どんな選手でも両方の思いがあるはずですが、 本当に苦しくなった最後の最後の瞬間、 どちらの思いが勝るかによって変わってくると思います。 やはり戦前から箱根駅伝に出ているような伝統校は、 この「チームのため」という目に見えない力が受け継がれていて、 その点、駒澤はまだ甘さがあったということだと思います。 太田 数年前、大八木さんと一緒に食事をした時に、 我われの指導というのは突き詰めると、 学生に手を合わせる心を教えることじゃないかなと 語り合ったように記憶しています。 大八木 ええ、そうでした。 太田 お礼、誓い、お願いの3つが しっかりしていなければダメということです。 そういう心を持った時、 姿勢が正しくなり、自然と呼吸が整ってきます。 ただ、やはり大学はプロと違って毎年学生が入れ替わるから、 勝ち続けるということが本当に難しい。 私も優勝した次のリーグで最下位になったり、 平成14年には2部リーグに落ちてしまった経験もあります。 大八木 ちょっとでも意識が低くなると、 あっという間に落ちてしまいますね。 これまで私は2年サイクルで チームの育成を考えてきたのですが、 去年何かの拍子に学生の前で 「今年は育成の年」と言ってしまったんです。 これはやっぱりマイナスでした。 出雲も全日本も勝っていたのに、 私が「育成の年」と言ってしまったがために、 自分たちはまだ箱根は無理なのかなと思って、 あと一歩優勝に詰め寄れなかった。 やっぱり指揮官がそういうことを 言ったら絶対ダメですね。 その分、今回は勝負の年として気合が入っていますが、 言葉の大切さを改めて痛感した1年でした。 |
2015.01.05 |
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