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靴づくりと人づくりの流儀 山口千尋(ギルド社長) 日本におけるビスポーク靴の第一人者 山口千尋さん、54歳 一人ひとりの足の形や特徴、要望に合わせ、 4か月の手間隙をかけて世界にただ一つの靴を作り上げる。 山口さんの作る本物の靴は「裸足よりも気持ちがいい」と称され、 多くのお客さん、そして靴職人の卵たちが 山口さんのもとに集まってきます。 ――山口さんが作られる本物の靴を求めて、 東京・銀座の店には全国から客足が絶えないそうですね。 1996年に会社を設立して以来、 靴を作ること、ご注文をいただくこと、 一緒に作れる仲間を増やすこと、 この3つをただ漫然と繰り返すのではなく、 常に挑戦的に続けてきました。 買いに来られるお客様一人ひとりとじっくり向き合い、 足の形を採寸し、ご要望を聞き出し、 それにプロとしての意見を抱き合わせながら 素材やデザインを決めていく。 そして、靴作りの肝となる縫い合わせは、 本場イギリスで学んだハンドソーン・ウェルテッドという 伝統的な製法にこだわっています。 これは針と糸の運び方が複雑なため、 極めて手間とコストがかかりますが、 その分メンテナンスさえ行き届けば 50年は履き続けられる靴ができるんです。 ――まさに一生モノの靴ですね。 完成までに100を超える工程がありますので、 お客様の手元に届くまで通常4か月を要します。 そうやって一つひとつに とことん丹精を込めて作っていく。 それが僕らが仕事をする目的であって、 一番大事なことだなと思います。 おかげさまで、いま年間で約300足のご注文があり、 お客様から、 「裸足よりも気持ちがいい」 「足を守って助けてくれる」 「足の先まで神経が研ぎ澄まされる感じがします」 など、たくさんのお褒めの言葉をいただいています。 セミオーダーでも10万円以上、 ビスポークといってフルオーダーだと 40万円を下ることはありません。 それでも僕らが作った靴を 大事に履いてくださる人がいる。 すごく贅沢な仕事だなと思って、 日々お客様と接しています。 ――先ほど仲間を増やすという話がありましたが、 靴の専門学校も運営されているそうですね。 そもそもは教えてほしいという人たちが来て、 じゃあ学校をつくろうと。 そんなことから始まって、1999年に サルワカ・フットウェア・カレッジを立ち上げました。 現在は1学年約30名の生徒を 2年間かけて育成しています。 いまの若い人たちはどちらかというと 褒められることに慣れていて、 逆にダメ出しされた時の原因を 自分に向けない人が多い。 1回や2回は素直に聞くんですけど、 それが続くと自分はダメなんだと誤解して、 途中で辞めてしまう。 ですから、僕が人づくりに関して一番意識しているのは、 言葉だけで理想を語るのではなく 自分もやって見せるということです。 おおよその学校の先生は「ここはこうやるんだよ」と口で説明して、 黒板に図を描いてお終いだと思うんですけど、 目の前で同じことをやって見せないと生徒は納得しませんから。 |
2014.12.03 |
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