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発想は常に泥臭い現実の中にある 近藤やよい(足立区長) 東京都足立区の給食改革――。 テレビや新聞で取り上げられ、さらにはそのレシピを紹介した本が ベストセラーになるなど、いま非常に注目を集めています。 2007年に区長に就任した近藤やよいさんは、 マニフェストに給食改革を掲げ、それを推進し続けてきました。 ――給食のレシピを紹介した本がベストセラーになるなど、 いま東京・足立区の給食改革が注目されていますね。 足立区の「おいしい給食」事業は 私が区長になった2007年にスタートし、 当初からテレビや新聞で取り上げていただいてきましたが、 出版社さんのご依頼で本を出させていただいたことは、 この取り組みを広く皆様に知っていただく 1つのきっかけになったと思います。 ――その給食メニューが区役所内のレストランに登場し、 大変な人気だとお聞きしています。 2012年の4月から限定30食で出していますが、 毎日完売状態が続いています。 ――人気の秘訣は何でしょうか。 足立区の給食は加工品を一切使用せず、 天然出汁を使うなど本物の味にこだわっています。 といってもやはり給食ですから、 限られた予算で栄養価やカロリー計算は しっかり考えられています。 区外からのお客様も多く、 また区内でも年輩の方などが「給食が懐かしい」と、 オープン前から並んでくださっている姿も見られます。 給食の話題は「自分たちの頃はこうだった」と 世代を超えて盛り上がるところがありますよね。 また、給食がお子さんやお孫さんとの 共通の話題となることで、 そこから食全体、ひいては健康に対する 意識の向上に繋がっていってほしいと思っています。 ――区長の発案から始まった足立区の給食改革が 見事成功した要因は何だと思いますか。 まだ成功したといえる段階ではないと思いますが、 まず1つには当初の抵抗を前にしても、 ブレずに戦略を立てて実行し、 数字としての成果を出したことが挙げられると思います。 ただ、私1人が旗を振っていても ドン・キホーテになってしまいますから、 職員を巻き込み、その職員が栄養士や学校を巻き込み、 そこから地域の方々やマスコミを巻き込みと、 渦の中にたくさんの人を巻き込んでいけたことが 大きかったのではないかと思います。 けれど、いまでも残菜量が 高止まりしている学校もありますし、 校長先生や栄養士さんが退職したりすると、 また1からのスタートですから、 これは終わりのない改革ですね。 ――発想を形にし、成果を出すには、 リーダーの信念と戦略、そして多くの人を巻き込む力、 ということになりますか。 私たち自治体は、何か特別な、 目先の変わったことを考えつくよりも、 いま目の前で困っている区民がいる、 求められているニーズがある、 解決しなければいけない課題がある。 それをクリアしていくために何が必要か、 と考えることが発想のベースだと思います。 現実から離れたところに発想があるのではなく、 日々仕事に汗を流したり、あるいは叱責されたり、 「足立区はねぇ」と言われて悔しい思いをしたり。 そういう泥臭い行動や思いの中から 本当に区民に喜ばれる発想が 生まれてくるのかもしれません。 |
2014.11.14 |
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