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勝敗の分かれ目は心一つの置きどころ 納谷幸喜(大鵬/第48代横綱) 白鵬 翔(第69代横綱) 「大鵬親方は『やってくれよ』と天国で絶対に思ってくれているし、 自分は一所懸命やって恩返しできればいい」 大鵬に並んで歴代最多となる 32回目の優勝を果たした横綱・白鵬。 昨年亡くなった大鵬こと納谷幸喜氏からは 生前さまざまな助言を受け、人生の師として慕っていました。 白鵬 相撲や武道は「心・技・体」が大切だといわれますが、 「体・技・心」でもない、「技・体・心」でもない。 やっぱり心が一番上です。 体をつくることや技を磨くことと比べて、 心を育てるのは難しい。 だけれども勝つためには心が8割、 技が2割、体はゼロじゃないかと思います。 大鵬 だから、不動心もそうだし、「忍」も刃に心。 大切なのは心だという意味でしょう。 白鵬 心は一番大切だけれども、目に見えないから、 忘れないように「心・技・体」と一番上に あるのかもしれません。 大鵬 相撲は真剣の勝負と一緒です。 土俵の俵が剣ヶ峰、刃なんです。 そこから出たら死ぬということですよ。 特に横綱にある間は、土俵から出たら死ぬんだ というくらいの気持ちで取り組んできました。 しかし、勝とうという気持ちが なかったら勝てないけれども、 逆に勝とうという気持ちが強すぎると、 固くなって負けてしまう。 本当にその心の置きどころが難しい。 白鵬 相手もみんな厳しい稽古を積んできた関取ですから、 横綱とはいえ、ちょっとでも気持ちが弱くなって 相手に自分の型に持っていかれたら負けます。 大鵬 結局、その心を調節できなければ 負けるわけです。 調節できるようになるためには、 やっぱり自分の体で稽古をするしかないと思います。 稽古でつらい思いをして、 本場所で勝った負けたで悔しい思いをして、 それが全部自分の身になるわけだから。 白鵬 双葉山関が名言を残しています。 「稽古は本場所のごとく 本場所は稽古のごとく」 こういう境地を目指して稽古と本場所に 取り組んでいくということですよね。 心の置きどころという意味では、 私は「流れ」というものを大事にしています。 土俵では無心になり、流れに従って 体が動くに任せるのが理想です。 ただ、その「流れ」は土俵の上だけでなく、 普段から規則正しい生活をすることや ルーティンを守ることも一つの流れだし、 細かいことを気にせず、無の境地に達する 準備をしておくことも流れ。 つまり、場所前の流れ、場所中の流れ、 場所後の流れというのが、 すべてあの何秒かに繋がっている。 そのように考えています。 だからおっしゃる通り、稽古だからどうとか、 本場所だからどうということなく、 一瞬一瞬の心の置きどころが相撲の勝敗を決めるし、 それが積み重なって相撲人生が決まるわけです。 大鵬 だから、人生は死ぬまで 勉強っていうことでしょうね。 私は30歳で引退し、その6年後には 脳梗塞で倒れ、以来ずっと闘病生活です。 私の場合、「横綱大鵬」ということが 一生ついて回ります。 それも心の置きどころです。 横綱がこんなことでへこたれてたまるか、 そう思って、リハビリも人並み以上にやってきました。 「人生は心一つの置きどころ」とは、 要するに自分に克つか負けるかということでしょう。 私なんか、ちょっとでも置きどころがずれたら、 現状が嫌になります。 引退した、病気になった、 だからもういいと思ったら終わりです。 白鵬 私も人間は死ぬまで勉強だと思うし、 頂点に到達することも絶対にないと思っています。 |
2014.11.24 |
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