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学校を変える あの全校集会では、子どもたちや教職員が感動しましたが、 実は私自身も別の意味で感動していました。 実は、最後に校長として勤めた小学校は、 教育困難校という烙印が押された学校でした。 誰が校長として赴任しても、まったくよくならない学校でした。 当時、教育長の命を受けて 「加藤君ならおそらくあの小学校を立て直してくれるだろう」 ということで校長として平成20年に赴任しました。 確かに、ひどいものでした。 外国人児童が50名以上在籍。 一人親家庭が全校の25%。(すべて離婚) 給食費未払い家庭は市でワースト1。 授業がまともに成立している学級はほとんどなし。 荒れた中学校並みでした。 遅刻は当たり前。教師は見て見ぬふり。 けんか、いじめ、不登校は日常茶飯事。 警察に指導されることしばしば。 教師のやる気のなさは学校が荒れる原因です。 私はまず朝早く出勤して、子どもに大きな声で正門に立ち、 「あいさつ」をすることから始めました。 1年中行いました。4年間行いました。 4年目は子どもたちは大きな声で「おはようございます!」と言いました。 雨の日も風が強い日も。 それを見た教頭先生が同じように南門に立ち、 あいさつを始めました。 率先垂範の気持ちで校長自らが動くことにしました。 モンスターペアレントには、校長室で対応。 相手の言い分をすべて聞きました。 意外に子どもたちが荒れる原因は学校の中にあることが多いです。 だから、親のグチの中には真実もあります。 校長が謙虚になり「聞く耳」を持つべきだと思いました。 これが親に伝わり、「今度の校長は話を聞いてくれる」 という噂が一気に地域に流れました。 親同士の連携はそれはすごいの一言です。 こうして3年かけて学校を根底から変える努力をしました。 血の出るような努力でした。 子どもたちには心を育てることが第一の目標でした。 当たり前のことが当たり前にできることを大事にしました。 全校集会の1年目は子どもたちががやがやして動き回り、 まともに話を聞いている子はほとんどいませんでした。 叱ってもダメ。教師たちは茫然として見ているだけ。 これではいい学校にはできません。 教師を鍛えることも重要だと思い、「校長通信」を毎週発行。 ブログで子どもたちのよさを宣伝。 授業中、放課、給食、清掃中など、 デジカメを持って毎日2万歩を回って歩きました。 校長室にすわっていることは、まずありませんでした。 365日学校に行きました。 土・日もなし。正月も行きました。これが4年続きました。 私が4年目の全校集会(感想文の内容)でうれしかったことは、 子どもたちの大いなる変貌でした。 私の話をじっと聞き、涙を流す。 こんなことは4年前には考えられないことでした。 だから、私は集会が終わって校長室に入った時、 泣けて泣けて仕方がありませんでした。 「子どもたちが、教職員がここまで成長してくれた!」 これが最大の喜び、感動でした。 子どもは変わる、教師も変わる、地域の目も変わる、親が変わるのです。 赴任当時、授業参観をしても来校する親は、全体の3割から4割でした。 しかし、4年目は10割になりました。 あの全校集会が終わって退場する時に1年生の子が私に声をかけました。 あの子はブラジル人でした。 日本語はあまり理解できない子でした。 しかし、話は理解したのです。 これにもびっくりしました。 よい話、感動には国境はないのです。 |
2014.11.05 |
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