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| 指導者は鉄の意志を持て 成山一郎（関西学院大学サッカー部監督） 今年、関西学生サッカー選手権に優勝し、天皇杯でもプロのＪリーグチームを相手に 勝利を収めた関西学院大学サッカー部。 当時、弱小だったチームを 今日へと導いていた成山一郎監督が語った 母校・関西学院大学（以下関学）サッカー部を率いて ５年目の今期は、１２年ぶりに関西学生サッカー選手権に優勝、 天皇杯の予選でもプロのＪリーグチームに勝利を収めるなど、 学生たちと目標としてきたことを一つひとつ達成してきました。 しかし勝利が学生たちの人間力の向上に繋がらず、 むしろ浮かれて天狗になってしまうくらいなら、 勝たないほうがまだましです。 本来の目標である「日本一」に向け、 一喜一憂せず気を引き締めていかなければならないと 心を新たにしています。 関学サッカー部のヘッドコーチへの 打診を受けたのは８年前でした。 当時２９歳だった私は幼少からの夢であった プロサッカー選手への道を断念し、 町の少年サッカーチームやＪリーグの下部組織で 小・中学生を指導する日々でした。 そこへ母校から声が掛かり、 喜んでお引き受けしましたが、 予想外の展開が待っていました。 同時に新監督として就任されるのが、 あの加茂周さんだというのです。 加茂さんは関学の大先輩であり、 日本リーグ時代も含め何度も所属チームを日本一に導き、 日本代表チーム監督も務めた名将です。 ２部リーグとの入れ替え戦に辛くも勝った関学を再建すべく、 加茂さんを監督へと招聘したのでした。 本物の加茂さんを前に、 私はオーラに圧倒されました。 いるだけで場の空気がピリッとなる。 中には髪を染めたり髭を生やしたりしている部員もいましたが、 「身嗜みをちゃんとしてこい。 できないなら、俺が辞めるか、 おまえらが辞めるかどっちかだ」 と言うと、翌日は全員がビシッと整えてくる。 指導者、監督というより大将のような存在で、 私も「大将のためなら死ねる」という心意気で、 加茂さんを勝たせたい一心で働きました。 加茂さんから学んだ指導者の要諦は 「鉄の意志を持つ」ことでした。 指示に反抗する者もいるし、 その戦術がうまくいかない時もある。 それでも、 「この人が一度言ったら 変わることはないから従うしかない」 と思わせなければならない。 優しさも大切だが、 その厳しさは持っておくようにと言われました。 |
2014.11.01 |
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