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成長の秘訣は 悔しさをバネに 長井鞠子(会議通訳者) 歴代首相をはじめ、世界中のVIPが 絶大な信頼を寄せる通訳者がいます。 長井鞠子さん、71歳。 日本初の通訳会社サイマル・インターナショナルに所属し、 日本における女性会議通訳者としての草分けとして、 半世紀近くにわたり第一線に立ち続けています。 発言を聞き、理解し、分析し、翻訳し、発声する。 このプロセスを僅か1~2秒の間に行う。 その同時通訳の仕事を 長井さんは「真剣勝負、格闘技です」と語ります。 通訳会社っていまはすごくたくさんあるんですけど、 当時は数社しかなかったですし、 女性でフルに働いている通訳者は 本当に数えるほどしかいませんでした。 だから、仕事は切れ目なく どんどん来るわけですよ、下手なのに。 いま振り返ると、最初の頃は 本当にいい加減な準備しかしていませんでした。 能天気で独身で遊びたい盛りでしたから。 あのような準備をいまの若い通訳者がしていたら、 すぐに仕事が来なくなると思います。 そんな中で村松(サイマルの創業者)は ずいぶん厳しく指導してくれました。 私が何か変な訳を言うと、 それを紙に書いて「×」、正しい訳を書いて「○」、 そんなメモをたくさん渡されましたね。 もう本当に悔しい思いをしましたよ。 ただ、その時に言われたことは 2度と間違えないように心掛けました。 やっぱり悔しい分だけ記憶に残るんです。 ――悔しさをバネにされた。 私は負けず嫌いなので人に批判されるとか ダメ出しを食らうのがあまり好きじゃないんですよ。 決定的だったのは通訳者になって 2、3年経った頃でした。 ある会議の同時通訳を終えてバスに乗っていた時、 前方から 「きょうの女の通訳、何言っているか ちっとも分からなかったわよね」 という女性の声が聞こえてきたんです。 その日は、先輩の男性通訳2人と私の3人でやっていましたので、 私しかいないんですよ。これはグサッと来ましたね。 そういう痛い目に何度も遭ううちに、 私の負けじ魂に火がついたんです。 こんな甘い準備ではダメだと。 それからですね、 真面目に取り組むようになったのは。 事前にいただくレジュメや資料を徹底的に読み込んで、 分からない単語は書き出して単語帳をつくり、 分からないことはクライアントに問い合わせる。 そういう準備をおさおさ怠りなくしていきました。 で、場数を踏んでくると、 ちゃんと準備をした時にはいい結果が出る、 逆に準備が甘かった時にはよくない結果になってしまう というのがだんだん見えてくるようになったんです。 |
2014.07.03 |
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