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相手への不満は自分の内にある要素 鈴木秀子(文学博士) これは私に相談を寄せられた方の実話です。 ある日、1人の奥さんが ご主人の節操のない生活態度に嫌気が差し 「離婚したい」と訴えてこられました。 私は、 「ご主人のどこがそんなに嫌なのですか」 と質問しました。 すると、奥さんはご主人に対する不平不満を この時とばかり口にされました。 あの時、あんな辛いことがあった、 あんな嫌なことを言われたと、 それはまるで長年心に溜まった鬱憤や恨みを 吐き出しているかのようでした。 「あなたがご主人に言いたかったことは もっともっとあるのではありませんか。 この際だから言いたいだけ言ってください」 そのように促すと、奥さんはまたもや ご自身の感情を次々と吐露されました。 私は、 「もっと言っていいんですよ」 と、とことんまで話をするように 導いていきました。 ところが、面白いことに、 しばらくすると奥さんは 急に口をつぐんでしまったのです。 「どうしたのですか? あなたはご主人の悪口を言いたくて 仕方がなかったのではないですか」 そう言うと、 彼女は答えました。 「夫の悪口を言っているうちに、 何だかそれは自分自身の悪口のように思えて 仕方なくなってしまったんです」 相手に見えていた欠点は、 実は自分の中にある要素だと気づいたのです。 そして噛みしめるように 言葉を続けました。 「こんな私を夫は長い間、 我慢しながら受け入れてくれていたんですね……」 「だったらどうします?」 「きょうは彼が大好きな魚を 買って帰って料理します」 そう言って笑顔で帰る奥さんを見送ったのですが、 数日後再びやってきた彼女が嬉しい報告をしてくれました。 大好物の魚を調理して食卓に並べた彼女に ご主人が、 「長い間、本当にありがとう。 君と一緒になれて本当に幸せだよ」 と話し掛けたというのです。 奥さんにとっては 全く予想もしていない一言でした。 このように人間は自分が変わることで、 不思議にも相手が変わっていくものです。 |
2014.06.25 |
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