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| ２２年間かけて咲いた自分の花 葛西紀明（ソチ五輪個人ラージヒル銀メダリスト） 今年２月に開催されたソチ五輪。 中でもひと際注目されたのが、ソチ五輪日本選手団の主将を務め、 スキージャンプ最年長のメダリストとなった 葛西紀明さん、４１歳でした。 １９歳の初出場以来、 史上最多となる７度の冬季五輪出場にして初めて個人メダルを獲得。 ――現在４２歳の葛西選手が心身ともに 年々進化し続ける秘訣は何でしょうか。 やっぱりジャンプがすごく好きですよね。 ルールが変わろうが、マテリアルが変わろうが、 「お、今度はこのルールか」 「あ、今度はこんな新しいスキーなんだ」 と、変わっていくことも楽しい。 ジャンプに対する思いみたいなものは、 ９歳の時から全然消えないですね。 だからやめたいと思ったことも一度もないし、 楽しいから頑張れる。頑張った分だけ成績が出る。 その中で家族や会社が応援してくれて、 その気持ちに応えたいって、その繰り返しが ずっと続いているということだと思います。 いまはオフで、膝を痛めたこともあって ジャンプのトレーニングはしていないし、 減量も気にしなくていいので好きなものを食べて ゆっくりしていればいいのですが、 なんかじっとしていられないんですよね（笑）。 自宅のトレーニングルームで １００キロのウエイトでスクワットをやって 大腿の筋肉は保とうとか、自分の体を痛めつけたいんですね（笑）。 ――努力がご自身の習性になっているのですね。 その姿勢によって今回五輪で悲願のメダルという花を咲かせたのでしょう。 時間がかかりましたけどね、花開くまで。 初めて五輪に出場したのが１９９２年。 それから何度も五輪を経験してきて、 先に長野で花を咲かせた４人のジャンパーも見てきました。 なかなか花を咲かすことができませんでしたが、 自分の座右の銘でもある「努力すれば夢は叶う」と思って続けてきて、 ようやく２２年間かけて重い花びらが開いたと思っています。 ――諦めなければ必ず花開くことを教わりました。 そして次回は金色の花を、ということですね。 まあ、４年後か８年後か分からないですけど（笑）。 ――ああ、８年後も視野に入れて。 ここまできたら４５歳も４９歳も 大して変わらないかなと（笑）。 とにかく行けるところまで行きたいですね、 自分が燃え尽きるまで。 創部以来、会社には１０年以上我慢してもらって、 スキー部を支えてもらいました。 自分も絶対メダルを取るんだという気持ちを持ち続け、 ようやく今回、少しだけ恩返しできたかなというところです。 ただ、やっぱり金メダルを見せてあげたいというのが一番なので、 ４年後、８年後、最高の形で恩返しをしたいと思っています。 そして妹や母にも、 「やっと納得するメダルが取れたぞ」 と報告したいです。 母はもう亡くなっていますが、 妹はいまも入院して辛そうな状況です。 僕がこういう目標を追いかけることで、 妹にも頑張って生きてもらいたい。 そうして、僕も家族も、応援してくれる会社やファンの皆さんも、 それぞれ自分の人生の花を咲かせられたらいいですよね。 冬季五輪ジャンプ最年長メダリスト、 ワールドカップ最年長優勝。 このほど２つのギネス世界記録を手にした葛西さん。 しかし、その陰にはいくつもの試練がありました。 |
2014.06.11 |
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