過去の一語履歴を見ることが出来ます。
脊髄に火がついた人間は強い 白鵬 翔(第69代横綱) 自身の公式ブログで 夏場所優勝後の会見を拒否した理由を明かした第69代横綱・白鵬。 流産していた夫人の心中を察して 断腸の思いで会見をキャンセルしたその姿に 「涙が止まりませんでした」 「偉大な横綱であり、偉大な人間です」 と感動が渦巻いています。 白鵬 私が十両に上がって関取になるまでの3年間、 いつも心掛けていたのは、 「稽古は本場所のごとく、 本場所は稽古のごとく」 ということ。 あとは、なるべく人を怒らせないようにしようと。 なんていうか、なるべく人を立てようという思いがありました。 そういうことが勝負に生きたような気がします。 まあ、運もよかったですしね。 そもそも関取になる時もそうです。 細かい話をすれば、幕下九枚目で6勝1敗。 普通なら上がれない勝ち星なのですが、 たまたまその時武蔵丸関とか何人かが引退して、 ガラッと空いたんです。 それで私も繰り上げられたんですね。 山下 幕内力士というのは何人いるのですか? 白鵬 定員は42人です。 その42人に入るために何百人という力士が鎬を削っています。 山下 そこに繰り上げで入るという運を引き寄せられたのも、 白鵬関が持って生まれた実力のうちですね。 白鵬 ある人が言っていましたが、 “たまたま”ということはないそうですね。 そういう星の下に生まれた、という言い方をされて、 ああ、なるほどなと思いました。 また、歌手の松山千春さんとお話しした時、 「“運”という漢字の意味が分かりますか」 と聞かれ、私は漢字が分かりませんから、 教えていただいたのですが、 「“運”は“軍が走る”と書くから、 戦わないと運は来ない」 とおっしゃっていました。 こういうふうに私はいろんなことを 教えてくださる方にたくさん出会いました。 相撲は結果を出してナンボの世界で、 結果を出せば10代や20代では とても会えないような方にも会えますからね。 そういう機会も心の成長に繋がっていきます。 やはりいろんな方の話を素直によく聞くことが、 自分を成長させるために大切だと感じています。 山下 横綱とはこれまでも何度もお会いしてきましたが、 きょう改めて思ったのは、お話ししていて すごく知性と品格を感じるんですね。 やはり育ちなのでしょうか。 お父さんはレスリングの銀メダリストで モンゴル相撲の大横綱。 言ってみれば武の達人で、 確かお母さんはお医者さんでしたか。 白鵬 はい。一度うちの家系の本を 自分で書こうかと思っていますが(笑)、 スターリンに唯一手を出したのは うちの伯父だといわれています。 当時話すことすらままならない時代で、 手を出すなんて考えられないことだったと思うのですが。 山下 スターリンに手を出したって、どういうことですか? 白鵬 殴ったということです。 当時のモンゴルの首相でした。 殴った後に辞任して、その後、暗殺されました。 山下 伯父さんがモンゴルの首相だったの? 白鵬 そうです。9代目の。 山下 それは知らなかった。 白鵬 母の弟が日本で大使をやっていたこともあって、 私が日本へ来る時、母から昭和天皇の写真を持たされました。 山下 昭和天皇の写真を!? いまモンゴルだけでなく、日本に留学してくる方で 天皇陛下の写真を持ってくる人はいないですよ。 そうですか、そういうところからも 天皇賜杯の涙に繋がっていくわけですねぇ。 だから、人生は本当に出会いですね。 どんな親の元に生まれ、どんな師に巡り合うか。 白鵬 双葉山関(昭和の大横綱・前人未到の69連勝記録を持つ)も 安岡正篤先生という方と出会い、 「木鶏」という話を教わって、あそこまで頑張られたそうです。 双葉山関も最初は全然強くなくて、 「うっちゃりの双葉」っていわれて、うっちゃりばかりだったと。 それが十両から幕内に繰り上げられた時、 急に強くなったそうで、 その時に安岡先生という方に「木鶏」の話を 聞いたんじゃないかといわれ、 その話に感動して、そこから双葉山関の相撲が変わったそうです。 山下 人間はあたかも脊髄に火がついたような感動が走ったら、 人生、変わるんですよ。 白鵬 ああ、モンゴル語にも「脊髄の力」っていう言葉があります。 「ゴルビャル」と言います。 体の大きい人はいくらでもいるけれども、 芯の力っていうのがあるんですよね。 そこがしっかりしている人は、やっぱり強い。 それは身体的な芯ということもあるでしょうし、 精神的な芯ということもあると思います。 |
2014.06.07 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日