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飽きるどころじゃないんです 吉田 都(バレリーナ) 日本を代表するトップバレリーナ吉田都さん。 バレエ一筋42年。その耐えざる努力の日々 ──吉田さんはイギリスの伝統ある バレエ団で22年間 プリンシパル(主役)を務め、 現在は日本を拠点に 活躍されていますね。 9歳でバレエを始めて42年、 こんなに長く踊れると 思っていなかったですし、 踊りたいという気持ちがあっても 体力的に難しくなってきますので、 50代を迎えたいまも こうして踊れていることは、 本当にありがたいなと思います。 バレエって皆さんが 想像している以上にハードで、 だいたい30代半ばで 辞める方が多いんですね。 長く続けられても普通は40歳くらい。 ──普段どのような稽古を 積まれているのですか。 やっぱり力を入れているのは 体の維持ですね。 42年続けてきたいまでも、 ちょっと油断するとすぐに 体が忘れてしまったり なまってしまうので、 内容は多少違いますけれども、 子供の頃に叩き込まれた お稽古を日々繰り返すことが とても大切なんです。 ですから、午前中は必ず 基礎レッスンをしています。 ストレッチに始まって、 鏡の前にあるバーに 掴まりながらポジション(型)を 取って腕や脚の位置を確認したり、 回転やジャンプなどの ステップを練習する。 バレエの華やかなイメージとは裏腹に、 そういう地道な基礎訓練を 一時間半くらいします。 それが終わると、 公演に向けてのリハーサルをしたり、 自分の弱いところの 筋力強化トレーニングや治療をします。 もちろん怪我をしないためには お休みも必要で、私はイギリス時代から 日曜日を休養に充ててきました。 一日でも休んだらどんどん 戻ってしまいますから、 そのぶん月曜日が大変なことは 覚悟の上で、週に一度のお休み以外は みっちり欠かさずにやっています。 ──基礎訓練を決して疎かにせず、 42年間コツコツと続けられている ことに感動を禁じ得ません。 よく「飽きないの?」って 聞かれるんですけれども、 飽きるどころじゃないんですね。 日々のお稽古というのは もちろん訓練やウォームアップの 意味合いもあります。 でも、私にとっては 自分の体と向き合って 集中力を高めたり、 気持ちを落ち着けたりする 場でもあるんです。 |
2017.09.15 |
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