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素直に物事を捉える 村上 太胤(法相宗大本山薬師寺管主) 小川 三夫(鵤工舎舎主) 宮大工棟梁の小川三夫さんは、鬼と恐れられた西岡常一氏の弟子として 長年厳しい修業を続けられました。 【小川】 村上管主は、 理屈を言わずに修行に励む子は 吸収が早いとおっしゃいましたが、 私がいろいろな弟子を見ていても、 素直な子はやはり 伸びるような気がします。 なぜ素直な子がいいかというと、 話が直線的に入るんです。 素直でない子は屈折して入るから、 伸びるのにも時間がかかる。 それに素直だと、 教えるほうも教えられるほうも、 ともに疲れることがありません。 やはり素直というのはいいものですよ。 何かの問題に直面しても、 素直に物を見ていくことで 解決できることがあります。 これ以上力が出せないという時も、 素直に物に触れていくことによって、 いいものがつくれる。 【村上】 物をつくる上でも 素直さが大事だということですね。 【小川】 そのとおりです。 常識的に考えたら、 設計図もない時代に 薬師寺の三重塔のような建物を 建てられるなど考えられません。 屋根の相輪に取りつけられた 四枚の水煙にしても、 一枚が百キロあるんですから。 おそらく奈良時代の工人たちは 何にも心がとらわれることなく、 素直に物事を捉えることで、 あれだけの知恵を 生み出したのでしょう。 それを再建しようと思えば、 やはり自分を無にして 昔の工人に心を合わせることが大事です。 そうすると 「つくってやろう」 というのではなく 「自然につくり上げていく」 という感覚が分かってくる。 私はこれまでの人生の中で この素直さということを とても大事にしてきました。 |
2017.09.07 |
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