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閃き 400万年前、人類は二足歩行を始めた。 二本の足で立って 歩き始めたことで両手が空き、 空いた両手で道具を使い始めた。 これによって人類は人間としての 進化の第一歩を踏み出したといえる。 我われの遠い祖先を 二本足で立ち上がらせたもの。 それは天啓の閃きであったに違いない。 以来、人類は閃きによって さまざまな発明発見を繰り返し、 今日の人工知能に至るまで、 奇跡のような大躍進を遂げてきた。 閃きこそ人類の進歩進化を 促してきた最高最大の力である。 科学技術だけではない。 閃きは人間内面の成長の原動力でもある。 佐藤一斎の言葉がある。 大上は天を師とし、 その次は人を師とし、 その次は経を師とす──。 もっとも優れた人は人や本からではなく、 天から直接学ぶ、というのである。 何をもって天から学ぶのか。 閃きである。 最上の人は閃きによって 天の心を感得するのだろう。 では、どうすれば閃きは起こるのか。 松下幸之助氏は閃きによって 数々の困難を乗り越えてきた人である。 その松下氏が、閃きの基本は熱意だという。 「熱意が基本にあると、絶えず、 寝ている間でさえも考えるようになる。 ぼくは寝る間も惜しんで仕事をしてきた。 ……そうなると不思議なもので 新しいことが浮かんでくるものだ。 浮かばないとすれば、それは熱意が 足りないことにほかならない」 稲盛和夫氏が40代の頃にされた 講演の話をある人から聞いた。 「来る日も来る日も 顕微鏡をのぞいていたら、 顕微鏡の向こうに宇宙が見えた」 と話されていたという。 興味深い話である。 |
2017.08.17 |
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