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『生き方のセオリー』 (藤尾秀昭・著) 私の心にいま、響いてくるふたつの言葉があります。 一つはこの言葉です。 窮達(きゅうたつ)は命(めい)なり 吉凶(きっきょう)は人に由(よ)る 困窮に陥る。あるいは 栄達に恵まれる。 これは運命であって 人知人力を超えた世界だが、 それを吉にするか凶にするかは その人次第である、 ということです。 深く頷かせるものがあります。 歴史上の偉人は皆、 困窮の中から運命を 飛躍させています。 一方、栄達の中にいながら 自らの人生を下落させていく 人も枚挙(まいきょ)に 遑(いとま)がありません。 窮達は命なり、 吉凶は人に由る── この言葉を骨髄に 徹して知っておくこと。 これは人生を発展させて いくための大事な セオリーの一つだと言えます。 もう一つは、渋沢栄一翁が 晩年、好んで揮毫した という言葉です。 天意夕陽を重んじ 人間晩晴(ばんせい)を貴ぶ 夕日の美しさは格別です。 一日を懸命に照らし続け、 西の空を茜色に染めて 沈んでいく夕日の 美しさは感動的です。 それは天が夕日のような 生き方を重んじている 現れに他なりません。 人間もまた、若くして才あり、 もてはやされながら、 晩年は見る影もないといった 早成の人生ではなく、 年とともに佳境に入り、 晩熟、晩晴していく 夕日のような生き方が貴い、 ということを、この言葉は 私たちに教えてくれています。 |
2017.08.31 |
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