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影あり/仰げば/月あり 森 迪彦(森 信三氏 ご子息) 平澤 裕(平澤 興氏 ご子息) 西澤真美子(坂村真民氏 ご息女) 【平澤】 父の遺した言葉についても触れておきたいと思います。 「私が私の一生で最も力を注いだのは、 何としても自分との約束だけは守るということでした。 みずからとの約束を守り、己を欺かなければ、 人生は必ずなるようになると信じて疑いませぬ」 たとえ自分でこうしようと決めたことを守らなかったとしても、 他人には分かりません。咎められることもなければ、 信頼を失うこともありません。しかし、他人が見ていなくても 天は見ていますし、何より自分自身がそれを見ている。 自分との約束を破る人は自分に負けている人であって、 それでは成長は止まってしまうということでしょうね。 【西澤】 本当にそのとおりですね。 【平澤】 ただ、単純なようで、これを徹底して実践するのはなかなか難しいものです。 次に、 「人は単に年をとるだけではいけない。どこまでも成長しなければならぬ」 私も75歳になって、気持ちが枯れそうになることもありますけど、 年を取っても自分に負けてはいけない。 いつまで経っても燃えて生きなければならない。 そう喝を入れてもらっているんですよ。 【森】 私の父も「人間は進歩か退歩かの何れかであって、その中間はない。 現状維持と思うのは、じつは退歩している証拠である」 と言っていますので、心したいですね。 【平澤】 それと、次の言葉です。 「自分の力で生きているなどと、おこがましいことを考えません。 毎朝、目をさましたとき生きていることの不思議さを感じ、それを喜ぶのです」 私は10数年前、父と同じで大腸がんの手術をしたんですね。 そういうこともあり、この年になってつくづく思うのは、 当たり前というのは実は大変ありがたいことなんだと。 たくさんの目に見えないものの働きのおかげで命がある。 そういう生きる喜びと感謝を深いところで感じ、 日々を営んでいくことが大切だと思っています。 【西澤】 ものすごくよく分かります。私が好きな父の詩に、 「影あり/仰げば/月あり」というのがあるんです。 この詩に深く感じ入ったのは母の介護をしていた時でした。 ある日、介護で夜中まで起きていて、深夜3時頃に、 少し寝ようかと思って部屋の電気を消すと、 お月様の光が部屋の奥までサーッと差し込んでいたのです。 外に飛び出して空を仰ぎますと月が輝いている。 そうしたら、必ず手が合わさる、自然に。ありがたいなぁって。 でも、電気をつけていた時は気がつかなかった。 同じように、この世界には私たちのことをいつも 見守ってくださる大いなるものが存在していると思うのですが、 多くの場合、人はそれに気づかない。 気づくと感謝の念が湧き起こりますよね。 |
2018.05.11 |
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