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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.294

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一語履歴 vol.300
どれだけ 300a影あり 300b父親の役割 300c言葉には
一語履歴 vol.299
魂のお世話 299a英語が 299b寝たきり社長 299cそれはホープ
一語履歴 vol.298
痛いよね 298a結果は 298b耐えるもの 298c鉋くず
一語履歴 vol.297
チームで共有 297a身を捨てる 297b咲くもよし 297c天からの一本の糸
一語履歴 vol.296
一流になるために 296aおいしく 296b長所に 296c与えられた仕事
一語履歴 vol.295
あの人は神様 295aミスにも真摯に 295b光と闇は 295cアンテナが錆び
一語履歴 vol.294
抜いている草も 294aやっておいて 294bクオリティ 294c私ほど
一語履歴 vol.293
自分の心の 293a何を捨てるか 293b人生の五計 293c失敗しない人間は
一語履歴 vol.292
砂を嚙むような 292aマインドを 292b相対感からの 292c可愛がられる
一語履歴 vol.291
必ず用あり 朝は日の出と 291a企業は 291b経験が強烈な
抜いている草も生きている
             千 玄室(茶道裏千家前家元)
             山折 哲雄(国際日本文化センター前所長)
  
私は1943年、21歳の時に海軍で飛行士官となり特別攻撃隊に移って戦闘訓練を始めました。
ここではいよいよ出撃となると、要務士官が来て名前を読み上げる。
呼ばれた六、7人が6時間後、午前零時前後に沖縄に向けて飛び立つのです。
士官が来るたびに「明日は我が身か」という思いで毎日を過ごしておりました。
 
出撃となっても、誰も泣いたり喚いたりということはありませんでしたね。
早暁戦友を見送るのですが、飛び立ったが最後誰も帰ってこない。
座布団が一つずつ空いていくのを見ますと、なんともやりきれない気持ちにかられました。
 
私は出撃する前に待機命令が下りましてね。死ぬ一歩手前で三途の川から戻ってきたのです。
ですから京都に帰りましても、
「死に損ないの自分は胸を張っては歩けない」「戦友に申し訳ない」という
忸怩たる思いが消えることがありませんでした。

自分の存在は一体何だろうと思ったら、非常にいやになりましてね。
大学を出ると、大徳寺の僧堂に入りました。
ここで後藤瑞巖老師に就いて修行をさせていただいたことが、人生の大きな転機になりました。

坐禅と作務に明け暮れる日々でございましたけれども、
戦後の物不足の中での一汁一菜の生活でしたから、
坐禅の最中にカレーライスが出てきたりハンバーグが出てきたり、考えるのは食べ物のことばかり(笑)。
腹が減って腹が減って、餓鬼道とはこのことかと思いました。思考能力もないまま修行をしていたのです。
 
で、ある時、庭の草取りをしていましたら瑞巖老師が立っていらして
「いま、あなたはどういう気持ちで草を抜いてるのや」と。
私は腹が空いて嫌気ばかりで、その質問には答えられませんでした。
その時に老師がこうおっしゃったのです。
「抜いている草も生きているのや。
生きているのやから、草に対してすいません、
すいませんという気持ちを持たなあかんよ」
 
この言葉を聞いて私はハッとしたのです。生きて帰ってきたことは何も恥ずべきことではない。
生かされて帰ってきたからこそ、仲間の分まで頑張らねばならないのだと。
目から鱗と申しますか、修行に本腰が入るようになったのは瑞巖老師のこの一言からでした。
 
翌年から海外を回って、平和のためにお茶を普及しようと決意したのも、
この言葉によるところが大きゅうございましたね。
 
2018.03.18

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