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奇跡の復興を可能にしたもの 2020年は東京で2度目となる オリンピック・パラリンピックが開催されます。 前回は1964年、 いまから50年前のことです。 この年は、東海道新幹線が開通した年でもあります。 戦争で全国各地が焦土と化し、 働きの担い手である多くの若い男性が命を落とし、 さらにはエネルギー資源のない日本が、戦後たったの19年で新幹線を走らせ、 オリンピックを開催するまでに復興した。 万事入精は古より日本人のDNAとして 連綿と受け継がれてきた資質のように思われる。 あらゆる事物に精緻を極めようとする 日本文化のありようは、その発露ともいえよう。 もう随分前のことになるが、 ヤナセの創業者・梁瀬次郎さんから聞いた話がある。 梁瀬さんは戦後の復興を担って 総理大臣を務めた吉田茂氏と親しかった。 ある時、吉田氏が言ったという。 「日本は戦争で全土が焦土と化した。 その日本が僅かな期間で目覚ましい復興を遂げた。 なぜだと思うか。 資源など全くない日本が なぜこんなにも早く復興できたのか。 日本には一つだけだが、 貴重な資源があったからだ。 それは日本人の勤勉性という資源だ」 梁瀬さんは膝を打って共感した。 勤勉性は万事入精と同義である。 何事も疎かにせず、懸命に取り組む。 一億国民の勤勉性、即ち万事入精の精神が 日本の驚異的な復興の基であったことを 私たちは肝に銘じたい。 『安岡正篤一日一言』に 「傳家寶(でんかほう)」と題する一文がある。 その一節。 事の前に在りては怠惰(たいだ) 事に当っては疎忽(そこつ) 事の後に於ては安逸(あんいつ) 是れ百事成らざる所以なり 大事なことがあるのに 準備もしないで怠けている。 実行の場面ではいい加減で軽率。 終わったら何の反省もせず、 ああやれやれと気を緩めてしまう。 こんなことを繰り返していては何事も成功しない、 という戒めである。 この教えを噛みしめたい。 事の前にあっては準備万端、 事に当たっては全心全力、 事の後は必ず反省・検証する。 私たちはこの姿勢を忘れてはなるまい。 |
2014.08.21 |
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