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先繰り機転を利かせなければならない 露の都(落語家) 女性落語家第一号として、今年40周年を迎えた露の都さん。 それまで男性落語家しか存在しなかった世界で、 道なき道を切り拓いてきました。 ――修業時代、師匠からの教えで 心に残っていることはありますか。 3年間は内弟子として一緒に暮らしていましたが、 よく「うちではええけど、よそでやったらあかんで」 と言われることがありました。 でも、それは「うちでもやったらあかんで」 ということなんです。 それから「先繰り機転」ということも よく言われましたね。 ――「先繰り機転」とはどういうことですか? 「俺が考えていることを読めへんかったら、 何百人のお客さんの前で喋られへんで」と。 この教えがどれだけ大事か、 自分が弟子を取るようになってよく分かります。 毎日一緒にいて怒られ教えられていく中で、 師匠はこういう時、こうするんじゃないか、 こうしてほしいんじゃないか、 と見抜ける子は伸びるのが早いです。 逆に、見抜けない子というのは、 結局全部自分の寸法でやってしまいます。 そうなると、高座に上がってもお客様の反応よりも、 自分のやりたいようにやってしまうことになります。 ――なるほど、自分の都合で動いてしまう。 師匠は絶対に意地悪で 叱っているわけではないですから。 この子に必要だと思って教えていることを、 分からないなりにも自分を殺して素直に聞ける子は、 次第に先繰り機転も利くようになるし、 伸びるのも早いと思います。 やはりそうやって弟子を指導するようになり、 さらに師匠のありがたさを感じるようになりました。 師匠が前例を打ち破って 女性の私を弟子にしてくださらなかったら、 今日の私はないですから。 ――女性落語家第一号として男性社会の中で ご苦労されたことはありますか? 私はあまり深く考えないんです(笑)。 やれるかやれないかを考えたら、 無理だという要因のほうが多いですから。 落語界の中には、もちろん女に落語なんてできない という考えの人もいたし、それをはっきり言う人もいました。 若い時には楽屋の中で「あっちに行け!」 と言われたこともあります。 だけど、割と堪えないんですよ、私(笑)。 その時は悲しかったと思いますが、 そういう舞台の裏の出来事よりも、 高座に上がり、お客様が笑ってくれないことのほうが堪えました。 周囲の皆様は「女や、男や」と見るかもしれませんが、 私自身は一人の落語家として生きてきたつもりです。 |
2014.08.19 |
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