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一所に懸命になる 白幡洋一(東北リコー元社長) 高卒でリコーに入社し、僅か5年で 海外の技術指導員に抜擢され、 帰国後、東北リコーの社長にまで上り詰めた白幡洋一さん。 入社当初から私が意識していたことは、 職住近接ということでした。 高校時代、通学に1時間半近くもかかって苦労した経験から、 会社の近くに住めば余計なことに気を煩わされず 仕事に専念できると考えたのです。 幸い、職場のすぐ近くの寮に入れていただくことができ、 毎朝一番に出社することにしました。 何の知識も経験もない新人でも、 与えられた環境でできることは必ずあります。 一所懸命という言葉は、 中世の武士が先祖伝来の所領を命懸けで守ったことに 由来すると聞いたことがあります。 自分にはまだ高度な仕事はできなくても、 与えられた一所に懸命になることはできるはず。 そこから次に何かが 見えてくるのではないかと考えたのです。 そこで私は、始業前の製造現場で機械に油を差したり、 機械器具類の清掃に使うウエスや梱包用の新聞紙を 適度なサイズに切り分けたり、 始業前の準備を進めておくことにしました。 2年目になると後輩が加わり、その負担が減ったので、 これも職場が近い利点を生かし、 帰宅後に会社の提案制度に応募することを始めました。 まだレベルの高い提案はできなくとも、 量が質を生むと考えて書き続けたところ、 その年、製造部門の提案件数では一番になり、 思いがけず社長賞をいただくことができました。 さらに3年目には、人が敬遠する 会社の様々な行事の幹事役を率先して引き受け、 部署の枠を超えた社内ネットワークづくりに努めました。 後年、 「随処に主となれば、立つ処皆真なり」 という言葉に出合いました。 何事も主体性を持って取り組むことの 大切さを説くこの言葉は、 一所に懸命になることを心懸けてきた 私の思いにも通じており、深い共感を覚えました。 結果的に入社から5年経った24歳の時、 思いがけずリコー初の海外生産工場、台湾リコーへ プレスの技術指導者として派遣されることになりました。 平社員から現地では課長待遇という異例の抜擢でした。 台湾への赴任期間は4年半でしたが、 いま振り返っても、この4年半が その後の自分をつくったという実感があります。 |
2014.08.11 |
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