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伸びる人間に共通する特徴とは 河田勝彦(オーボンヴュータン オーナーシェフ) 東京・尾山台にあるフランス菓子の名店「オーボンヴュータン」。 33年にわたって店を切り盛りしてきたのが 日本洋菓子界の巨匠・河田勝彦さん、71歳です。 いまなお厨房に立ち続け、多くのパティシエを世に送り出しています。 ――先ほど店内を拝見しましたが、 平日の昼間にもかかわらずお客様が途絶えませんね。 ここ東京・尾山台にオーボンヴュータンを開店して 今年で33年になります。 自分が作りたいお菓子を作って、 それがお客様に求められているということは、 もうとっても幸せなことだと思っています。 きょうの朝もわざわざ鹿児島から 買いに来てくださったお客様がいたと、 うちの従業員から聞きました。 ――小さなお店ながら、スタッフの方が多いことにも驚きました。 いま全部で24人の若い人間が修業を積んでいて、 約10名が常時店頭に立っています。 彼らをしっかりとこの道で やっていけるように叩き上げる。 それがいま最もエネルギーを 注いでいることの一つですね。 ただ、なかなか思うように上達しない。 それが現状です。 ですから、毎日が葛藤、闘いですよ。 僅か3年で全部覚えて卒業したのもいれば、 8、9年経ってようやく化けるのもいますからね。 ――その差はどこにあるとお考えですか。 それは意識でしょうね。 ただ言われた仕事だけをしているか、 あるいは僕と同じような気持ちで、 つまり菓子屋ならシェフ、 会社なら社長が求めているものを求めて仕事をしているか。 やはり後者でなければ美味しいお菓子は絶対に作れないし、 仕事でいい結果は出せません。 これまで約200人がここを巣立っていき、 中には有名店を経営している者もいます。 30年近く見てきて感じるのは、 いまの子は人にとても優しい。 それはいいことだと思います。 でも、自分にも優しいんですよ。 これがいけない。 ――ああ、自分に対して甘いと。 こんなもんでいいかなって許しちゃうわけですね。 妥協点が早いんです。 そうやって流して仕事をする子は なかなか伸びないと思います。 逆にこだわりを持っている子は どんどん成長していきますよ。 ――こだわり、ですか? もちろん頑固がいいと 言っているのではありません。 自分に厳しく、小さなことでもとことん追求するという ある種の譲れない信念を持っている。 それを貫いていくことが、 僕は絶対に必要だと思います。 いまはもう、どこのお店に行っても いい原材料を使っています。 道具も平等です。 だけど、店によって味が違う。 なぜか。 それは作り手の思い、これしかないです。 本人に熱い思いさえあれば、 必ず技術はどんどん上達していきます。 ですから、僕がどんなに口うるさく言ったって、 結局は本人の意識次第なんです。 |
2014.08.07 |
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