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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.198a

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一語履歴 vol.198
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一語履歴 vol.193
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一語履歴 vol.192
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一語履歴 vol.191
乗り越えられる 191a最善の努力 191b最大の逆境 191c鬼の口
小泉八雲が目指したもの
             池田雅之(早稲田大学教授)

古き良き日本の心を、独特な感性と偏見のない公平な眼差しで、
克明に書き記した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。
明治以降、失われゆく日本の心を八雲はどのように見ていたのか。

八雲がバンクーバーを出航して
横浜港に到着したのは、1890年の4月4日。

桜がほころび始めた春、
空は晴れ上がり、無数のカモメが
船の周りを飛び交い、遠くには美しい
富士山が見えたと言われていますが、
八雲は初めて見た日本の印象を
「日本への冬の旅」の中で
次のように記しています。

……改めて港の光景を眺めると、
その美しさは想像を絶するものがある。

光の柔らかさといい、
遠方まで澄み切った感じといい、
すべてを侵している青味がかかった
色調のこまやかさといい

すべてが澄明だが、
強烈なものは何もない──  
すべてが心地よく
見慣れぬものではあるが、
強引なものは何もない。

これは夢の持つ鮮やかさ、
柔らかさというものだ!

この文章から、八雲は横浜に
上陸してすぐ、まさに日本との
決定的な出合いを果たした
ことが伝わってきます。

また同時に、親しい友人に宛て、

「ここは、私の霊がすでに1,000年も
 いる所のような気がします」

と、後に日本が終の住処となる
八雲の運命を暗示するかのような
手紙も書き送っています。

そして、早朝の横浜港に
到着した八雲は、早速、
人力車で横浜の街を巡ります。

その印象を記録したのが、
「東洋の第一日目」という作品です。

八雲はとりわけ、車夫や
街ゆく人々の眼差しに
“驚くほどの優しさ”を感じ、
次のようにその感動を綴っています。

このような思いやりのある、
興味のまなざしや笑みを
目の当たりにすると、
初めてこの国を訪れた者は、
思わずお伽の国を彷彿と
してしまうことだろう。
 
おそらく、競争社会のイギリスや
アメリカで人生のあらゆる辛酸を
舐めた八雲にとって、人々も自然も
時間の流れも穏やかな日本は、
一つのユートピア(理想郷)
のように映ったのでしょう。
 
2016.04.26

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