本文へスキップ

      次代に輝く住まいを創る

TEL. 0246-65-2311

〒979-0154 福島県いわき市沼部町鹿野43

一語履歴WORD vol.191c

過去の一語履歴を見ることが出来ます。

一語履歴 HOME
⇦前 一語履歴 次⇨ 
一語履歴 vol.200
士大夫 200aルイス・フロイス 200b勝海舟 200c関は人間を磨く
一語履歴 vol.199
日本料理 199a幼い娘 199b汲み取り屋 199c松下幸之助師匠の教え
一語履歴 vol.198
視座を高める 198a小泉八雲 198b孔子が求めた 198cこれは素人の論文
一語履歴 vol.197
分かれ道 197a一流と二流の差 197b視座を高めて 197c積み重ね
一語履歴 vol.196
ありのまま 196aプロの掃除道 196b小さなリーダー 196c実力を発揮
一語履歴 vol.195
和太鼓 195a笑いによって 195b音楽療法 195c空間デザイナー
一語履歴 vol.194
不便さ 194a成長する時 194b目の輝き 194cマツダの快進撃
一語履歴 vol.193
立ち直り 193a歴史の遺訓 193b向上心 193c腑に落ちた知識
一語履歴 vol.192
明治生まれ 192a誠意を尽くした 192bプロの仕事 192c時間の創造主
一語履歴 vol.191
乗り越えられる 191a最善の努力 191b最大の逆境 191c鬼の口
鬼の口  土光敏夫の母の言葉
                出町 譲(作家・ジャーナリスト)

一流の男の背景には必ず母親からの影響がある──。
財界の巨人・土光敏夫の背景にもまた、母・登美の影響が色濃くあったといいます。

登美の生きる姿勢は、
土光(敏夫)の生き方と
多くの面で重なるところがある。

例えば、非行を行った
女子生徒三人に対して
退学処分が下されようと
していた時のことだ。

当時校長だった登美が

「退学処分は許しません。
 その娘たちは私が預かります」

と言い切って、
教室に寝具を運び込んで、
その生徒たちと学校の中で
寝食をともにしたことがあった。

当初、非行を働いた生徒たちは
口を固く閉ざしたままだったという。

登美も自分から話し掛けることはなく、
校長室でただ読経していた。

数日後、子供たちのほうから

「先生、いったい私たちは
 何をしたらよいでしょうか」

と尋ねてきたその瞬間を、
登美は逃さなかった。

その後急速に登美に
打ち解けた生徒たちは、
素直になり掃除に勉強、
そして読経まで進んで
やるようになったという。

土光もまた、いかに周囲から
不良社員だというレッテルを
貼られた社員に対しても、
そんな社員こそ自分の部下にしたい
ということを述べている。

作物と同じように早く芽が出る
人間もいれば遅く出る人間もいる。

どんな人間であろうとも、
人を切らない登美の姿勢は
土光にも受け継がれていた。

どれだけ年を重ねようとも
次世代のためにという思いで、
骨身を惜しまずに学校建設に
打ち込んだ登美の姿勢もまた、
80歳を超えて日本の国家財政の
立て直しに尽くした土光の姿と重なる。

「人間というものは
 生涯にせめて一度、
 『鬼の口』に飛び込む
 思いをしなければならない。

 そういう機会を持たずに
 人生を終えるのは、
 恥ずかしことだ」

とは登美の言葉だが、
まさに学校建設は登美に
とっての「鬼の口」だった。

土光の場合、何度も
「鬼の口」に飛び込んでいるが、
これとて母の教えに
忠実であらんがためにしてきた
ことだったのではなかろうか。
 
2016.02.29

バナースペース

櫛田建設株式会社

〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日