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プロが語る掃除道 新津 春子(日本空港テクノ環境マイスター) 世界一清潔な空港として国際的に高い評価を受けている羽田空港。 その羽田空港で、最近注目を集めているのが掃除のプロ、新津春子さん。 27歳にして全国ビルクリーニング競技会で日本一に輝きました。 空港の清掃は特殊な仕事だし、 たくさん勉強できると聞き、 私はアルバイトでもいいから 働きたいと懇願したんですけど、 「いまは募集していません。 なおかつ、うちは男性しか要らない」 って断られたんです。 その言葉を聞いた途端、 火がついちゃったんですね(笑)。 男性だけで、 女性は要らないってどういうこと?って。 それで意地でも この会社に入りたいと思ったんです。 常務に食い下がって 「男性と同じペースで、 同じ量の仕事ができれば 何も文句ないでしょ?」 って言ったら、ある日 「これを読んでおいて」って 求人票を渡してくれました(笑)。 それで採用になったんです。 24歳の時でした。 その頃は 「とにかく仕事を人一倍頑張れば、 皆が認めてくれる」 と必死でしたから、 自分中心だったんです。 心を込めて清掃するとか、 そういう考えは一切ありませんでした。 そのことに気づかせてくれたのは 鈴木常務なんですね。 ──詳しくお聞かせください。 入社から3年経った時、私は 全国ビルクリーニング技能競技会に会社の 代表として出場することになりました。 全国大会の前に予選大会があって、 私としては100パーセント 出し尽くしたんですけど、2位だったんです。 その結果に納得がいかなくて、 常務に「何がいけないの?」 ってぶつけると、ひと言 「気持ちを込めていない」って。 私が 「どうやって気持ちを込めるの?」 と聞くと、 「急ぐあまり道具を使ったら ポンポン投げるように 置いているでしょう。 それが気持ちがないってことだよ。 道具をつくった人が見たらどう思う?」。 もう返す言葉がありませんでした。 そこから全国大会までの2か月間、 私は道具や物も人だと思って、 使ったら「ありがとう」って 言いながら置くようにしていきました。 |
2016.04.11 |
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