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笑いによってあるべき姿にかえる 永田勝太郎(日本薬科大学総合医療教育センター所長) フランクル先生はアウシュビッツ収容所という、 いつ殺されるかも分からなぬ極限状況の中に 身を置かれていた。 しかしその中でも先生は、人間のとる行動を 詳らかに観察し、ご自分の学問と体験とを 結びつけて考えておられた。 こうした人間の高度な脳機能の発現は、 芸術を楽しんだり鑑賞したりする気持ちとも 一致するものだと思うのです。 私たちは例えば古典落語を聴き終った時に、 大きな安堵を覚えます。 その感情は人間の最も根源的な存在感の中から 生れてくるものではないか。 つまり人間は、笑いやユーモアによって、 自分の本来のあるべき姿へかえるのでは ないかと思います。 フランクル先生の弟子だった E・キューブラー・ロス氏は 「人間はその死の瞬間まで、 成長できる可能性を持った生物である。 だからこそ希望の小窓を閉じてはいけない」 と述べました。 「希望の小窓」とは、小さくてもよいから 生きる意味を持っていなさい、ということです。 フランクル先生は収容所生活の中で、 仲間の囚人たちに 「毎日最低一つは、笑い話をこしらえよう」 と提案し、人が生きる意味を自らの力によって つくり出されました。 先生はご自身の著書の中で、次のように 綴っておられます。 「ユーモアも自分を見失わないための 魂の武器だ。ユーモアとは、 知られているように、ほんの数秒間でも、 周囲から距離をとり、 状況に打ちひしがれないために、 人間という存在にそなわっている なにかなのだ」と―。 |
2016.03.29 |
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