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歴史の遺訓に学ぶ 堺屋太一&渡部昇一・著 もし、信長が新国立競技場をつくったら 信長は安土城で 相撲の興行をよくやりましたね。 その第一回目の相撲の興行が終わって、 人がいっぺんに退散したらたちまち混乱して 石垣から落ちて怪我人が出たんですよ。 それで家来の丹羽長秀に 「次は怪我人が出ないようにしろ」 と命令したんです。 そうしたら奉行たちが集まって、 道路を広げたらいいとか、 橋を付け替えなきゃいかんとか いろいろ議論をして、 「費用もかかるし、時間もかかるけれど、 いかがいたしましょうか」 と信長に具申すると、信長は 「おまえたちは馬鹿だな。 混乱するのはみんなが いっぺんに帰るからだ。 それを分散させる手を考えれば いいじゃないか。 最後に何か一つ付け加えれば、 それを観るやつと観ないで帰るやつに 分散するから混乱しないだろう」 といって、弓取り式というのを 考え出したわけです。 確かに最後に弓取り式をやると、 それを観る人もいれば観ないで帰る人も いますから混乱しないんですね。 ハードではなくてソフトで解決する。 これは天才的な発想だと思います。 2020年の東京オリンピックの 新国立競技場の問題も、 そういう柔軟な発想がないから お金ばかりかかってしまうわけですよ。 あれは織田信長だったら 500億円でできますよ(笑)。 |
2016.03.11 |
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