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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.325c

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一語履歴 vol.330
学問の目的 330a運がいい... 330b何のために 330cまず夢を
一語履歴 vol.329
素読は 329a一言一涙 329b誰にも負けない 329cお坊さんの後ろ姿
一語履歴 vol.328
棒切れ 328aお客さんに 328bもう懲りた 328c言志四録
一語履歴 vol.327
いましかない 327aおはよう 327b目の前 327c人として
一語履歴 vol.326
心の師となれ 326a大器晩成 326bへこたれるものか 326c作曲家の意図
一語履歴 vol.325
商品開発 325a共に学ぶ 325b大切な良薬 325c無常観
一語履歴 vol.324
成長できない 324aJALの奇跡 324b快GOツアー 324c叱って
一語履歴 vol.323
先人の知恵 323a人も運も 323b三鏡 323c恒久平和を 323dそばに居る
一語履歴 vol.322
自分の思い 322a喧嘩だけはするな 322b才幹に優先 322c言葉には意味
一語履歴 vol.321
韓非子 321a脳の動きが 321b読書が人を 321c先賢の箴言
 
無常観
       絹谷 幸二(画家)
       村上 和雄(筑波大学名誉教授)

力強い色彩をもって圧倒的な迫力で迫ってくる
作品群で多くのファンを魅了する画家・絹谷幸二さん。
画家として40年以上にわたって日本の美術界をリードしてこられましたが、
若い頃は画家の道に進むべきかで煩悶の日々を繰り返したといいます。

【絹谷】
もっとも、画家として順風満帆だったかというと、
必ずしもそうでもなくて、自分は画家として
やっていけるだろうかという悩みは常にありましたね。

例えばイタリア留学中のことですが、
文化庁からの依頼で高松塚古墳の
壁画保存対策委員に就任することが決まり、
ローマ国立中央修復研究所で技術を学ぶことになりました。

実際に修復技術を学んでみると、
まるで探偵小説を読むかのようで、
科学的な世界が広がっていて非常に面白いんです。

ところが修復の世界と新しいものを
創造する画家の世界っていうのは相反するんですよ。

しかし、絵の世界は描いても描いてもなかなか売れない。
非常に不安定です。一方、修復の仕事は食っていける。

【村上】
そこで迷われたわけだ。

【絹谷】
ええ。クリエイティブな世界に行くんだという意志は、
そこで揺らぎましたね(笑)。

他にもイタリアの陶器を日本に持ち込めば、
当時は小さいものでもよく売れたんですよ。
だからそれを商売にすれば生活が成り立つ。

とにかくそういう落とし穴はいっぱいありました(笑)。
でもそれにはまらないようにするには、貧乏するしかありません。
日本にいる時も、絵描きなんかやっていたら食べていけないよ、
生活に困るよ、とどれだけ言われたことか。

【村上】
それでも絹谷先生は自分の意志を曲げなかった。

【絹谷】
それはね、いまは強いけど昔の弱い阪神タイガースが好きだったとか、
どこか偏屈なところがあったからでしょうね(笑)。

ただ、それだけではなくて、当時はまだ若かったでしょう。
命に対する不安っていうものがまだないから、
どうなろうと生きていけるという自信はあったんですよ。

時にはあまりに絵に熱中し過ぎて、心臓がね、
ガーンと痛くなるようなこともありましたけど、
常に心の中に無常観というものがあって、
それをバネにして画家として一道を
歩んできたというのはありますね。
 
2018.12.18

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