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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.322b

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一語履歴 vol.330
学問の目的 330a運がいい... 330b何のために 330cまず夢を
一語履歴 vol.329
素読は 329a一言一涙 329b誰にも負けない 329cお坊さんの後ろ姿
一語履歴 vol.328
棒切れ 328aお客さんに 328bもう懲りた 328c言志四録
一語履歴 vol.327
いましかない 327aおはよう 327b目の前 327c人として
一語履歴 vol.326
心の師となれ 326a大器晩成 326bへこたれるものか 326c作曲家の意図
一語履歴 vol.325
商品開発 325a共に学ぶ 325b大切な良薬 325c無常観
一語履歴 vol.324
成長できない 324aJALの奇跡 324b快GOツアー 324c叱って
一語履歴 vol.323
先人の知恵 323a人も運も 323b三鏡 323c恒久平和を 323dそばに居る
一語履歴 vol.322
自分の思い 322a喧嘩だけはするな 322b才幹に優先 322c言葉には意味
一語履歴 vol.321
韓非子 321a脳の動きが 321b読書が人を 321c先賢の箴言
才幹に優先すべき人間の徳望
              安岡定子

【安岡】
父から教えられた最も大きなことは
縁と情ということで、私自身、この二つを
大事にすることを人生を歩む上での
大切な法則だと心得てきました。

それに一つ加えると、我が家の応接間には

「士別れて三日なれば、即ち当に刮目して相待つべし」

という父直筆の額が掲げられています。

中国の『三国志』の時代に、呉の呂蒙という将軍が
語った言葉で、この言葉も人生の指針にしてきました。

自己鍛錬に努めている人がいれば
三日も経つと見違えるほど成長しているという
意味なのですが、私の好きな箴言の一つですね。

【荒井】
安岡正篤先生は人のことをなぜ人間というのか、
一人称単数をなぜ自分と呼ぶのか、
この「人間」と「自分」という二つの言葉に注目し、
重視しておられました。

人のことを人間と呼び習わしてきた
我が国の伝統は素晴らしい、というのが
安岡先生のお考えなんですね。

そして、安岡先生と同様に、
昭和の国難の時代を精神的にリードしてきた
哲学者の和辻哲郎先生もまた、
この人間という呼称に着目して
『人間の学としての倫理学』を著されています。

人はそれぞれオンリーワンの存在でありながら、
他の人ないしは人と人々との間柄の中を
生きていく社会的存在であることを
「人間」という言葉によって
端的に表現していることをお二人の碩学が
評価されている。

このことは実に注目に値すべきだと思います。

【安岡】
なるほど。その通りですね。

【荒井】
オンリーワンの存在でありながら
社会的存在として活動することは、
所属する企業や集団の中で果たすべき役割を
分担していくことでもあります。

「分際」というのはまさにそれを
言い表した言葉ですが、
このような人間理解があればこそ、
「自分」という呼称は素晴らしいと感じるんです。

この人間に対する理解を正しく持つことも、
生きていく上では忘れてはならない
人生の法則なのかもしれません。

【安岡】
父はよく自身の使命として

「僕の人生は東西古今の名言や語録の渉猟に
明け暮れてきたが、この功徳は僕にとっても
大変なものがあった。
これを分かち与えるのが僕の使命である」

と語っていました。

父が先賢の書から掴み取った法則や真理を
伝えていくことを使命としたように、
その志を受け継ぐのが私たちの役割なのだと思います。


【荒井】
私は、安岡正篤先生の著作に共通する
最大の主題とも言うべき修己治人の学について
述べさせていただきたいと思います。

企業や組織、ひいては国家、社会の指導者となる人々に
絶えず求められる資格は、その人の徳望と才幹だと
言えるでしょう。

企業や組織の興亡盛衰を決めるのは人だからです。

修己治人の学は詰まるところ、
この徳望と才幹を磨くにはいかにあるべきかを
追究するための学びだと思うんです。

残念なことに、現代人は才と徳とを
「賢」という概念でひと括りにし、
優先順位が何かが分からなくなってしまっている
感があることは否めません。

【安岡】
おっしゃる通り、いまは徳望よりも
むしろ才幹が重視される風潮にありますね。

しかし、それでは世の中は混沌とするばかりで、
極めて危惧すべき状態です。

いま一度、人生の法則に立ち返るためにも、
父の書物を学び直す必要があると思います。
そして、その教えを後世に継いでいくことが大事です。
 
2018.11.09

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