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言葉には意味がある 竹村 亞希子(易経研究家) 安岡 定子(こども論語塾講師) 【安岡】 ある幼稚園児のクラスで「遠慮という言葉を知っていますか」 と聞いたところ、五歳の男の子が片方の掌を私に見せて 後ずさりしながら「“いいから、いいから”ということです」。 また、ある女の子は手を差し出して 「“どうぞ”ということです」と答えました。 遠慮を辞書で引くと「辞退する」「譲る」とありますから、 二人の答えは大正解なんですね(笑)。 そういう時、子供の直感は素晴らしいと、つくづく感じます。 祖父も「幼いからといって幼稚ではない。 知識や経験はないが、中身は豊かだ。 だから小さい子に接する大人ほど上質でなくてはいけない」 と幼児教育の大切さをよく話していました。 子供はお腹にいる時から、周りの人たちの言葉を聞いていて、 それが人格形成に大きな影響を与えている。 例えば子供が誰に教わらなくても「おはよう」 「お休みなさい」と言えるのは、周囲の声を聞いているからだ。 人間は3歳で決まるという言葉には意味がある、 と言っていましたが、そういう祖父の言葉は いまとても参考になっています。 「子供たちにとって一番大事な時期に接している」 と考えたら、決して気を緩めることはできません。 【竹村】 私も全く同感です。企業でお話をされることも多いと思いますが、 ビジネスマンの方々はどういう言葉に興味を持たれますか? 【安岡】 学校で習っていることもあると思いますが、 やはり「故きを温ねて新しきを知る(温故知新)」は ベスト3に入ります。 孔子は、昔の人の考えや生き方を学び、 これから取り組もうとしていることや、 人間関係に生かしていける人こそ素晴らしい という意味でこの言葉を使っています。 「しかし、そんな遠い昔の先哲、先人でなくても 会社の先輩の話を聞くこと、会社の歴史を知ることが 既に故きを温ねることです」と話すと、 「学校で教わった言葉はそういう意味だったのですね。 目から鱗が落ちました」という答えが返ってくることもあります。 |
2018.11.30 |
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