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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.286b

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一語履歴 vol.290
努力にも 290a心身を浄化し 290b思いやり 290c自分でやる
一語履歴 vol.289
親なき子ら 289a逆の振る舞い 289bこれからの 289cこつこつこつこつ
一語履歴 vol.288
必ず用あり 288a人生の深い 288b人間の根っこ 288c人を幸せにする
一語履歴 vol.287
仕事は 287aアンテナを 287b一生の縮図 287c長期的には
一語履歴 vol.286
常に活性化 286a六秒の奇跡 286bどんな日でも 286c大政奉還
一語履歴 vol.285
その先に 285a日本人としての 285b老年廃せず 285cお客様の課題解決
一語履歴 vol.284
自分の国について 284a知恵を富に 284b感謝の心を 284c大いなる希望
一語履歴 vol.283
インテリジェンス能力 283a高い天守閣 283b言霊の 283c知恵
一語履歴 vol.282
二番だったら 282a労を惜しまず 282b東京タワー現象 282c本心の満足
一語履歴 vol.281
本気でぶつかる 281a医療と健康と美容 281b自分の成長 281c脅しには
どんな日でも「きょうはよかった」
           塩沼 亮潤(慈眼寺住職)
           村上 和雄(筑波大学名誉教授)  

【村上】 
お話を聞いただけでも大変な修行ですね。
たぶん私は最初の500段の階段を上っただけで、くたびれて動けなくなる(笑)。
一日行って帰ってきただけで体がガタガタになるでしょうね、
普通は。そのための特別なトレーニングとかあるんですか。
 
【塩沼】 
特にありません。高校時代から行のためにと思い体を鍛えていましたが、
それでも始めたばかりの頃は熱が出たり、膝に水が溜まったりいたしました。
 
毎年体力のある春先はいいのですが、
行を始めて1か月くらい経つと爪がボロボロになってきます。
口に入れるものはおむすびと水だけで、お豆腐やお野菜などの
おかずのある食事は夜だけですから、栄養不足になるんだと思います。
しかし、不思議とそれもしばらくすると落ち着いてきます。
 
3か月目はちょうど梅雨明けになりますが、
そこでがくんと体力が落ちる時期があるんです。
その1週間くらいは必ず決まって血尿が出ました。
でも、それを通り過ぎると体が軽くなる気がいたしました。
 
【村上】 
極限を通り過ぎると、逆に体が軽くなると。
 
【塩沼】 
しかし、馬力といいますか底力みたいなものはなくなります。
行に入りましたら体調が「いいか悪いか」ではなく、「悪いか最悪か」です。
日々限界です。あとは呼吸とリズムです。
 
調子が悪いからといってそこで諦めるのではなくて、
調子が悪くても昨日の行よりきょうの行、きょうの行より明日の行と、
日々向上していく姿勢が大事なんです。そしてそれを続けていくうちに、
「きょうはダメだった」という日がなくなって、
どんな日でも「きょうはよかった」と思えるようになります。
 
また、この行は誰に頼まれてやっているわけではないのです。
自らが進んで行じさせていただいておりますから、皆に心配をかけてはいけない。
心配や不安を与えるような行者では“行者失格”という、
自分なりの強い信念がありましたので、
大峯山頂の宿坊には8時半、戻ってくるのは3時半と時間を決めて、
毎日同じ場所を同じ時間に通過すると、自分の中に誓いを立てました。
 
【村上】 
例えばこういう行を人から強制されたら、それこそ拷問に遭っているようなもので、
とてもできないと思うんですよ。
やはりご自身でやると発願されたことが、やり抜く一つのベースになっているのでしょう。
 
しかし、やると決めても途中で弱い心が出てくるのが人間です。
塩沼さんのお話を聞いていると、そういう心が出てこない。そこが素晴らしいですね。
 
【塩沼】 
40キロ行って帰ってくれば、1,000日のうちの1日を積み重ねることになります。
ああ、行者さんはきょうも行って帰ってきたなと。山頂の宿坊にも人がいますから、
「きょうもちゃんと来たな」と分かるわけですが、
見られていない山の中での心の持ち方、
行じ方はいくらでもごまかすことができると思うんです。
 
でも、どうせ同じ行じるなら、とことん真剣にやりたいと思っていました。
どんなに人の目をごまかせても、自分の心はごまかせません。
何年何月何日、あそこで手を抜いたということは
いつまでも自分の心のレコーダーに残るわけです。

ですから、後悔だけはしたくない。一瞬一秒無駄にせず、
真剣にやり抜きたいという思いは最後まで貫き通しました。
これがいま胸を張ってお坊さんでいられます自信に繋がりました。
過信ではなく仏さまからの、努力のご褒美です。
 
2018.01.28

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