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インテリジェンス能力 中西 輝政(京都大学名誉教授) 日本の政治とメディアの未成熟さの背景について 述べておきたいことがあります。 昔から、政治・外交上の優れた知恵を大切にしてきたイギリスでは、 世界の政治や外交、経済の動きを正しく見る場合、 「四つの要諦」があると言われてきました。 第一に物事の動きはできるだけ早く見つけること。 第二に、見つけたら、なるべく時間をかけておもむろに行動すること。 第三に、交渉の局面に入ってくると、常に粘り強く主張すること。 第四に、それでいて時至れり、となれば、行きがかりを捨てて潔く譲歩すること。 この四つです。 日本で政治・外交上の決断や行動の選択が遅れる原因は、 得てして日本人の慎重さが災いすることも多いのですが、 それだけではありません。 それ以上に重要な問題として、 情報の収集力、分析力、 つまり国や企業でいえば、 インテリジェンスの能力が著しく欠落していることが挙げられます。 集団や組織のリーダーは時代の局面を敏感に読みながら、 当面の問題には堅実で的確な手を打ちつつも、 状況の変化によっては 時に自説を覆してでも柔軟に対応していく力が求められます。 そして、その鍵を握るのがインテリジェンス能力なのです。 歴史上の優れたリーダーたちが国を揺るがす出来事に遭遇しながらも、 それを見事に乗り越えていくことができたのは、 何をおいても情報への敏感さと判断の柔軟さによるものであり、 その陰で正しい判断を得るために 情報収集に人一倍エネルギーを割いていたのです。 大変残念ながら、 政治家に限らず現代の日本のリーダーたちの インテリジェンスに対する、 この「生きるか死ぬか」というほどの意識は 極めて希薄であると言わざるを得ません。 |
2018.01.02 |
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