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自分の国について知らなすぎる 境野勝悟 ヨーロッパの人、アメリカの人はみんな言うんです。 日本人にゲーテの話はしてもらいたくない。 日本人にシェイクスピアの話はしてもらいたくないと。 日本人には『源氏物語』を教えてもらいたい。 日本人には『徒然草』を教えてもらいたい。 日本人には芭蕉の『奥の細道』を教えてもらいたいって、 みんなそう言っているんです。 ところが日本の文化人のほとんどは、外国の文化や文芸ばかり勉強して、 日本の文化や文芸の良さをあまり学ぼうとしないのです。 一、二の文化人は別にして、とにかく外国の模倣ばかり していることが多いですね。 いくら国際化といっても、向こうから学ぶことばっかりであったら、 いい友情は結べません。 向こうをまねたり、向こうからもらうものがあったら、 10もらったら10、日本にもこういういいところがあるんだよと、 日本の文化・伝統の良さを、こっちからも10返すようにしないといけない。 そうすれば、対等な関係で、胸を張って、 国際社会で生活することができると思うんです。 日本の文化や伝統についてあまりにも無知な人は、 外国の人から教養人としては認められませんよ。 かつて来日したブルー・タウトさんが、こんなことを言っています。 「日本人は礼儀正しく勤労意欲が盛んで勉強もよくする。 しかし、あまりにも自分の国について知らなすぎる」と。 わたくしの塾では、中学生は勉強の前の30分間、坐禅を組みました。 ある塾生が、ボーイスカウトをやっていて、 その関係でアメリカのサンフランシスコへ行きました。 そして、そのホームステイ先で、朝30分、自分で坐禅を組んだんです。 すると、その家の人が「私たちも坐禅をやりたいと思っていた。 でも、いままで教えてくれる人がいなかった。ぜひ教えてくれ」と言って、 そのホームステイ先のお父さん、お母さん、子どもまでみんな一緒に朝、 その期間中、坐禅を組んだというんですね。 ほかの人たちは、ただお世話になって帰ってきただけです。 わたくしのその塾生は、坐禅も教えたし、お茶も点てたんですね。 その家族の方は、坐禅を教わった、抹茶の点て方も教わった、 ティーセレモニーも分かったと言って、彼は帰るときに、 「ありがとう、ありがとう」と、とても感謝されたというのです。 わたしはこれだ! と思うんですね。 |
2018.01.04 |
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