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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.168

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一語履歴 vol.170
お天道様が 170a一つ上の仕事 170b考えの出し方 170c人生はあなたに
一語履歴 vol.169
最高の結果 169a悲しみの底で 169b不思議なるもの 169c負けない言葉
一語履歴 vol.168
あかちゃんポスト 168a呻吟語 168b奇跡 168c自分の力の引き出し方
一語履歴 vol.167
日本史 167a日本 167b精神的修養を積む 167c遠きを慮る
一語履歴 vol.166
天職への道 166a地域再生 166b成功への 166c資料が語る二宮金次郎
一語履歴 vol.165
プロの流儀 165a分身ロボット 165b鬼はいません 165c日本史講座
一語履歴 vol.164
後から来る者たち 164a畫れり 164b成長する 164c高い山を
一語履歴 vol.163
小学に学ぶ 163a帝国ホテルの現場力 163b太陽の下で考える
一語履歴 vol.162
唱道の人 一日は 162a江戸の庶民 162bみてござる
一語履歴 vol.161
おせっかい 161a翼を与える 161b足なし禅師
あかちゃんポストはこうして生まれた    
                  蓮田太二(慈恵病院理事長兼院長)

熊本市内にある慈恵病院で、日本で初めての試みとなった
「こうのとりのゆりかご」 (通称:あかちゃんポスト)が
設置されたのは、いまから8年前でした。
これまで預けられた子供の数は120人に上るそうです。
   
東京の「生命尊重センター」の方から、

「ドイツに匿名で赤ちゃんを預かる
『ベビークラッペ(赤ちゃんポスト)』が
 あるから見学に行きませんか」

とお誘いをいただき、平成16年に
私は迷わず現地へ飛んだのでした。

当時のドイツでは、70か所のベビークラッペが
設置されており(現在は100か所)、
私は4つの施設を回ることになりました。

年間40人くらいが預けられるとのことで、
一か所当たり2年に一人くらいの利用頻度だと思いました。

預けられた赤ちゃんは、小児科の病院で診察を受け、
異常がなければ専門里親に預けられます。

一方、性別と障害の有無、預けられた日時、
母親に向けては「迎えに来てください」
というメッセージが新聞に掲載されます。

8週間経って親が名乗り出なければ
養子縁組の手続きを開始。

驚いたのは障害のある赤ちゃんには
正常な赤ちゃんより育てたいという
希望がより多くあるということ。

また「子供は家庭で育てられるべき」
という考えが徹底しており、
ほぼすべての子が施設ではなく
新しい家族のもとに送られることでした。

さらに、妊娠葛藤相談所、匿名出産といった
母子の命を守る様々な施策があることも知りました。

中絶手術を受けるという場合でも、
相談所で十分話し合い、
証明書がなければ手術は受けられません。

ただ、視察中、私には一つの疑問がありました。

それは一か所の施設につき、
2年で一人の預け入れしかないにも拘わらず、
70か所もつくる必要があるのかということです。

率直に視察先の小児科医に質問してみると、
私は次のようなお叱りを受けたのです。

「各地に設置していつでも利用できる
 状態にしておくことが大事なんだ。
 命を何だと考えているか!」

その言葉に命を大切にする教え、
思いを強く感じました。

私は預けられる赤ちゃんが
2年に一人だったらつくらない、
つくると思うのは根本的な間違いなのだと、
ハッと気づかされたのです。
 
2015.10.27

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