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子曰わく、力足らざる者は中道にして廢す 今女(いまなんじ)は畫(かぎ)れり 永年師と仰いできた安岡正篤師が八十六歳で亡くなったのは、 伊與田氏六十七歳の時。 師を失い、次第に立つ気力をなくしていく自分を、 氏はどうすることもできなかった。 翌年、安岡師一周忌の席で新井正明氏 (関西師友協会会長・故人)が 『論語』の一節を引用して挨拶を述べた。 伊與田氏はこれに非常な衝撃を受けた。 その一節とは――。 「子曰わく、力足らざる者は中道にして廢(はい)す。 今女(いまなんじ)は畫(かぎ)れり」 (力のない者は中途で倒れる。 お前はやりもしないで、自分でできないと言っているだけだ) これが頂門の一針となった。 伊與田氏は『論語』全文に仮名をつけて浄書することを決意。 香を焚き、一字一字に祈りを込めて書き上げたのが 『仮名論語』である。 真に先哲の遺訓に学ぶなら、 人は七十歳からでも新たな人生をスタートさせることができる。 伊與田氏の人生はそのことを私たちに教えてくれている。 その伊與田氏の言葉。 「自己自身を修めるにはあまり効果を期待せず、 静々と人知れずやられるといい。 それを三十年、四十年とずっと続けていくと、 風格というものができてくる」 こうも言う。 「西洋の老いは悲惨さがつきまといますが、 東洋的な老いは人間完成に向けた熟成期なのです。 年をとるほど立派になり、息をひきとる時に もっともすぐれた品格を備える。 そういう人生でありたいものです」 九十余年、先哲の遺訓を噛みしめ、 自省自修してきた人の言葉には人を奮起させる力がある。 |
2015.10.02 |
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