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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.163

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最高の結果 169a悲しみの底で 169b不思議なるもの 169c負けない言葉
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一語履歴 vol.165
プロの流儀 165a分身ロボット 165b鬼はいません 165c日本史講座
一語履歴 vol.164
後から来る者たち 164a畫れり 164b成長する 164c高い山を
一語履歴 vol.163
小学に学ぶ 163a帝国ホテルの現場力 163b太陽の下で考える
一語履歴 vol.162
唱道の人 一日は 162a江戸の庶民 162bみてござる
一語履歴 vol.161
おせっかい 161a翼を与える 161b足なし禅師
小学に学ぶ 人づくりの要諦
           荒井 桂(郷学研修所安岡正篤記念館副理事長兼所長)

江戸時代に『大学』と並んで、必読の書と言われた『小学』
そこに収められている逸話は かつての日本人に広く知られ、
人間としての良識を養う上で 極めて大きな役割を果たしたといいます。

安岡正篤先生はこの『小学』について、

「幾度読んでも、幾歳になって読んでも、
 実に感激の新たなるものがあります」

という述懐を繰り返しておられます。

そして『小学』にまつわる逸話として、
ご著書『人物を創る―人間学講話―「大学」「小学」』に、
ご自身の好きな大家の一人である
明代の碩学・章楓山(しょうふうざん)の
ことを紹介されています。

ある時、この章楓山のもとに
科挙の試験に通って間もない進士が訪ねてきて、
これからいかなる勉強をすべきか助言を求めました。

これに対して章楓山は

「何と言っても『小学』をやることです」と答えました。

言われた進士は内心はなはだ面白くない。

科挙に通った自分にいまさら『小学』をやれとは、
ばかにするにも程があるというわけです。

ところが家に帰って何気なく
『小学』を手に取ってみると、
一言一句実に心に響く。思わず引き込まれ、
本気で勉強をして再び章楓山に会うと、
「だいぶ『小学』を勉強しましたね」という。

なぜ分かるのかと驚くと、

「あなたの挙措(きょそ)、
 動作にそれが自ずと現れています」

と答えたという逸話です。

『小学』がいかに価値のある
テキストであるかを示すエピソードといえます。

『小学』は日本においても多くの人から高く評価され、
武士道の理論的大成者とも言える山鹿素行もその一人でした。

しかし素行は、風俗も時代も異なる
外国の古典をそのまま学ぶのは無理がある。

日本の『小学』が必要であると考え、
武士はいかに生きるべきかという教えに昇華しました。

その素行の教えを弟子たちが
まとめたのが『武教小学』でした。

素行を深く尊敬していた幕末のリーダー吉田松陰は、
この『武教小学』を繰り返し読んだと言われています。

自宅へ蟄居(ちっきょ)を命じられてからは、
一族郎党を集めてこの『武教小学』を講じ、
それを記録したのが『武教全書講録』です。

このように、『小学』は日本を牽引(けんいん)する
リーダーたちにとっても必読の書であり、
彼らに大きな薫陶(くんとう)を与えていたのです。
 
2015.09.25

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