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想像する創造 國本桂史(デザインディレクター) 航空宇宙から医療・ヘルスケア、次世代電気自動車など 数々の分野で戦略的デザインコンサルティングを展開している デザインディレクターの國本桂史さん。 「國本さんって一体何の仕事を しているんですか!?」 このような質問をよく受けるほど、 デザインディレクターとして手掛けてきた 商品やプロジェクトは多岐にわたります。 一例を挙げれば、愛知県大須地区の都市デザインから カーデザイン、人工衛星デザイン、ロボット、 自動車玩具「チョロQ」、日本酒「萬歳楽 白山氷室」、 肌着ブランド「クオーレ・アモーレ」等々……、 グッドデザイン賞をはじめ世界各国で 様々な賞を数多く受賞してきました。 加えて、現在私の仕事の主流になっているのが、 医療・ヘルスケアデザインという新しい分野です。 いまから数年前、世界における医療・ヘルスケア産業の 市場規模は自動車産業のそれを超えました。 2020年には500兆円に達するといいます。 そんな中、昨年8月に名古屋市立大学病院内に 「医療デザイン研究センター」を設立。 私はセンター長として、 「いままで見たこともないものを創る」という理念のもと、 医療機器から手術方法に至るまで、医療全般における 革新的なデザインの研究開発に日々取り組んでいます。 デザインというと、見た目がかっこいいものや 人目を惹く斬新奇抜なものを創ることだと 想像される方が多いでしょう。 確かにそれらも必要ですが、 私の考えるデザインとは単にものを創るだけに留まりません。 「人間が心地よく暮らして幸福になること」が 何よりも大事なのであって、 その状態をいかにして創り出すかが私の仕事であり、 これがまさしくデザインの究極の目標なのです。 その最近の代表作ともいえるのが 「新型喉頭鏡」でしょう。 喉頭鏡とは全身麻酔時や救急救命の際、 患者の気道を確保するために用いる器具のこと。 従来は槌のような形をした金属製のものしかなく、 重い上に柄が直線で持ちにくい。 そのため操作を誤ると患者の前歯が 折れてしまうこともありました。 何と驚くことに、70年以上も形状や操作性が ほとんど変わっていなかったのです。 何も考えず前例の形ありきで作ってきたと 言われても仕方ありません。 そこで私たちは、患者を傷つけず、握力の弱い女性医師でも 簡単に扱えるよう、チタンを用いて軽量化し、 グリップやブレードの形状を全く新しくデザイン開発しました。 この「新型喉頭鏡」は試作臨床研究で圧倒的な評価を受け、 政府から予算も得て現在商品化し、 世界市場に対して販売を始める段階です。 デザインとは未来を創ることであり、 どうすれば人間が生きていく上で最も快適になるか、 そのゴールを提示することだと考えています。 |
2015.04.12 |
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