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自分の限界 為末 大(元陸上選手) 村上 和雄(上智大学名誉教授) 現役時代から「走る哲学」と呼ばれていたという為末大さん。 【為末】 特に興味を持っているのは、 マインドセット、簡単に言えば 人の思い込みとか常識のことですけど、 これが変わる瞬間です。 例えば、義足を履いた 幅跳びの選手がいるんですけど、 その選手は8メートル40センチも 飛ぶんですよ。 健常者とほとんど変わらない 記録になってきていて、 いずれ抜いてしまうと思うんです。 そうした人間と道具との 融合が当たり前になったら、 世の中の常識やこれまで 人が抱いてきた思い込みも 大きく変わる気がするものですから、 そんな新しい世界を、 こういう施設を使いながら ちょっと覗いてみたいんです。 【村上】 ご自身で競技をなさっている頃から、 そういう問題意識を 育まれてきたのでしょうね。 【為末】 陸上選手というのは 特にそうだと思うんですが、 僕は現役の頃から、 自分は本当はどこまでいけるのだろう、 自分の限界を決めるのは 何だろうといつも考えていました。 たぶん思い込みによって 自分の能力にブレーキを かけている部分が 大きいと思うんですが、 その思い込みが競技で 揺さぶられる度に外れて、 成績に結びつくことが多かったんです。 先ほど申し上げたマインドセット、 つまり思い込みとか、常識とか、 自分が自分に貼っている レッテルに人間がすごく 影響されているんじゃないか というのを現役の時に感じていました。 |
2017.05.23 |
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