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感動が覚悟を生んだ瞬間 小田 真弓(和倉温泉 加賀屋女将) 年間30万人の宿泊客を魅了してやまない 石川県の名旅館・加賀屋。 日本一のおもてなしを支える女将 ──加賀屋の若女将になることに 不安や迷いはありませんでしたか。 そりゃあ、ありましたよ。 その思いを払拭できたのは、 嫁いだ翌年、お正月明けに 一度里帰りをさせてもらったのですが、 東京から戻ってくる時のことでした。 ちょうど三八豪雪と呼ばれる 大雪に見舞われてしまい、 列車は10何時間と遅れ、 ようやく金沢に着いたのは深夜でした。 主人のいとこがトラックで 迎えに来てくれたものの、 ちょっと走っては雪を掻き分けて、 また進むということを延々と繰り返す。 お腹が空いてきて、 「何か食べるものない」 と聞いたら、 「後ろに白菜が積んで あるからそれをかじれ」 って(笑)。 まあ、散々な目に遭って、 東京に舞い戻りたいと 思いながら帰ってきたんです。 で、加賀屋の前に着いた時に、 車のライトの先に フーッと何かが浮かんだ。 よく見たら義母が大雪の中、 毛布をたくさんかぶって、私の帰りを 外でずっと待っていてくれたの。 「ああ、帰ってきたか。 帰ってきたか」 って言ってね。 その義母の気持ちに ものすごく感動しまして、 やはり私はここで義母についていこう、 背中を見て勉強していこうと つくづく思ったんです。 ──加賀屋に骨を埋める 覚悟が定まったのですね。 それからは義母の何分の一か でも近づけるようにと思って。 |
2017.03.24 |
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