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心を高め運命を伸ばす 稲盛和夫(京セラ名誉会長) 白鵬翔(第六十九代横綱) 【白鵬】 給料が遅れるような会社に就職しても、 懸命に研究に取り組まれたというのが 凄いなと感じました。 やっぱり努力する人に 神様は運を与えるんですね。 私は二、三年前の優勝インタビューで 「運がよかった」と言ったのですが、 運は努力した人のところにしか 来ないと思っています。 【稲盛】 最初は私もひどいところに 就職してしまったと思いました。 何人もいた同期は次々辞めて、 半年後には私と もう一人だけになりました。 残った彼と相談して、 こんなところに長くいても 将来はないから、 二人で自衛隊の幹部学校を受けたんです。 幸い二人とも合格したのですが、 入隊手続きには戸籍抄本がいるので、 実家に連絡して 送ってくれるように頼んだのに 待てど暮らせど送ってこない。 とうとう提出期限が来て、 入隊を諦めなくては ならなくなったのです。 【白鵬】 なぜ送ってこられなかったのですか。 【稲盛】 後で親に聞いた話では、兄が 「せっかく大学の先生の紹介で 入れてもらった会社なのに、 半年で辞めるとは何事か」 と怒って反対したといいます。 兄は旧制中学までしか 出ていないのです。 二つしか違わないけれど、 国鉄で働きながら 私を大学まで出してくれました。 小さな頃から自慢の兄貴でね、 運動会では、自分は走りが遅いけれども、 兄ちゃんが走ると必ず優勝するから 嬉しかったことを覚えています。 魚捕りでも、兄は素手で 鮒でも鯉でも捕まえるのです。 私は後ろからバケツを持って追いかけて、 「うちの兄ちゃんは なんでもうまいんだ」 って、そう思っていました。 その兄貴が、私が就職する時には 安い給料の中から背広をつくってくれ、 京都まで送り出してくれました。 そうやって懸命に面倒を見てきた弟が、 いとも簡単に会社を辞めると 言い出したことが 許せなかったのでしょう。 【白鵬】 それで気持ちを切り替えて、 その会社で頑張ろうと思われたのですか。 【稲盛】 切り替えたというより、 逃げ場がなくなったのです。 ここしかないと。 ここしかないなら、 この会社と仕事を好きになろう と思いました。 ボロ会社で給料が遅配する会社、 本当なら好きになれない。 でも、好きになる努力をしたんです。 そこから私の運命は変わったと思います。 |
2016.07.16 |
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