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人間視点を変えると 見えなかったものが見えてくる 野村 克也(野球評論家) 村上 和雄(筑波大学名誉教授) 【村上】 どうやって壁を 乗り越えられたのですか。 【野村】 考えて、考えて、考え抜きましたが、 特効策は見つかりません。 しかし、一つ分かったことが あったんですね。それは、 自分は不器用だということです。 例えば、ストレートを 狙っているところに ストレートが来たら打てるんです。 カーブ狙いでカーブが来たら打てる。 しかしストレート狙いのところに カーブが来たらもうお手上げ、 王や長嶋みたいに来た球に 対応することができないんです。 しかも、当時はバッターが 次はストレートだ、 次は変化球だとヤマを張るのは 恥ずかしいこととされていたんですよ。 【村上】 そうなんですか。 いまは普通に行っていることでしょう? 【野村】 それを始めたのが私ですよ。 プロ野球は結果主義の世界じゃないか。 結果の裏はプロセス、 過程重視で取り組んでいこう。 不器用には不器用の生き方がある。 俺は日本一のヤマ張りバッターに なってやる、そう決めたんです。 【村上】 ヤマというのは科学で いうところの仮説です。 しかし、仮説を立てるにも前例とか 傾向のデータがないとできない。 【野村】 おっしゃるとおり、 単なるヤマ勘じゃだめです。 そこで試合が終わった後、 毎晩スコアラーから相手ピッチャーが 投げた球種とコースの記録をもらって、 自分で分析をしたんですよ。 また、大リーグの テッド・ウィリアムスという 強打者の伝記をくれる人があって、 それを読んだら 「私はピッチャーが振りかぶった時、 既に何を投げてくるかは八割以上分かる」 とあった。 「ストレートを投げる時と 変化球を投げる時とでは、 必ずどこかで変化している。 じっと見ていれば分かる」 と。実際、グラウンドでじっと ピッチャーを見ていたら、 確かに微妙な違いがあるんですよ。 【村上】 それが野村ID野球(データ重視)の 原点ですか。 【野村】 そうです。やっぱり人間、視点ですね。 視点を変えると、 見えなかったものが見えてくるのです。 |
2016.07.08 |
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