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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.203c

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一語履歴 vol.210
修養の大切さ 210a父からの手紙 210b心を高め 210c祈り
一語履歴 vol.209
視点を変える 209a運を強く 209bまずは自分が
一語履歴 vol.208
大切なことだけ 208a力尽きるまで 208bマザー・テレサの言葉
一語履歴 vol.207
組織マネジメント 207a本来無一物 207b一年の計は
一語履歴 vol.206
夢を叶える 206aオレンジ色 206b世の中に偶然はない
一語履歴 vol.205
絶望の中 205a碧巌録 205b服中に書 205c伸びるべき者が伸びる
一語履歴 vol.204
幕末の偉人 204a親父の小言 204b古典を 204c人間には3つの教育
一語履歴 vol.203
百歳の円相 203a一流と二流 203b最大の修業 203c道とは何か
一語履歴 vol.202
目に見えない力 202a平常心 202b不幸を吸っても 202c一日の王
一語履歴 vol.201
どんな選手を置くか 201a明かり 201b構想 201c正しきこと
「老子」道とは何か
           田口 佳史(東洋思想研究者)

私は大学を出ると映画会社に入社し、
そこでドキュメンタリー映画の
監督をやっていました。

昭和42年、
ベトナム戦争の最中でしたが、
戦争の映画を作りたいと思って
タイのバンコクに飛びました。

撮影は順調に進んでいて、
その時、目の前に
立派な二頭の水牛が現れたんです。

私は何としても
カメラに収めたいと思って
近づいて撮影し、
車に戻ろうとした瞬間、
後ろからいきなり襲われたんです。
 
鋭い角でボンと持ち上げられるように
串刺しになり、
内臓が飛び出す重傷を負いました。

自分で飛び出した内臓を
身体の中に入れて、
バンコクの病院に
運んでもらったのですが、
そのおかげで本当に
奇跡的に一命を取り留めることが
できたんです。

ただ、しばらくは
生死を彷徨っている状態で、
きょう目を閉じて眠れば
死んでしまうのではないかという
恐怖感に苛まれていましたね。

しばらくしたら、
私の事故を伝え聞いた在留邦人の皆さんが
梅干しや本などいろいろのものを
差し入れてくださって、
そういうものの中に
『論語』と『老子』が入っていたんです。

『論語』はあまり印象に
残らなかったのですが、
『老子』を読むと、
とても心が落ち着くわけです。

いま思うと、そこで説かれている
死生観が私の心に
深く沁み入っていったのでしょうね。

『老子』は
人間は道という根源から生まれ出てきて、
亡くなるとまたその道に帰る
と説いています。

道とは何かといえば、
郷里の肝っ玉母さんのような存在なんです。
つまり、死とは決して恐怖の対象ではなく、
母親の温かい懐に帰ることなんだと。

そう考えることで心が穏やかになり、
病状も非常によくなってきました。
 
2016.06.18

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