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幕末の偉人の言葉に学ぶ 河野 克俊(統合幕僚長) 渡部 昇一(上智大学名誉教授) 【河野】 幕末の偉人の話ですが、 河井継之助っていますでしょう。 【渡部】 越後長岡藩の家老として 財政改革を推進し、戊辰戦争の際、 藩を守るため官軍に徹底抗戦 したことで知られる英傑ですね。 【河野】 その河井継之助が素晴らしい 言葉を残しているんですよ。 「進む時は人に任せ、退く時は自ら決せよ」 これもまさに我が意を得たりでしてね。 海上自衛隊のオペレーションの一つに、 洋上補給というものがあるんですが、 これは両艦が互いに一定の 距離を保って海の上を並走しながら、 給油艦からホースを繋いで油をもらう。 強風や高波で船がぶつかったり、 甲板上の作業員が流されてしまう 危険性を伴う作業なんです。 私がインド洋における補給支援活動の 指揮官として現地へ向かっていた時、 洋上補給の途中で一度だけストップをかけて、 離脱させたことがありました。 「危ないな」と思いながら 見ていたんですけど、 現場の人たちは誰も 「やめよう」とは言わないんですね。 指揮官でなくともゴーサインは出せる。 しかし、ストップをかけられるのは 指揮官だけなんです。だから、 リーダーの役割の一つは、ストップ をかけることだと実感しています。 【渡部】 どこでストップをかけるか という判断が重要であり、 難しくもあるわけですが、 これはやはりその人の見識が問われますね。 それにしても河野さんはその立場、 立場において、自分に相応しい本を パッと見つけて読んでいらっしゃる。 そこが素晴らしいところですね。 【河野】 振り返ると、私が小学校 4、5年生の時の担任の先生は 「何でもいいから本を読め、本を読め」 と、しょっちゅう言っていました。 その言葉がやっぱり 沁みついているのだと思います。 |
2016.06.18 |
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